サーバー移転の手順(ドメインそのまま)失敗しない方法

サーバー移転の手順(ドメインそのまま)失敗しない方法

サーバーの移転とは自社のホームページを収容しているサーバーの会社を変更することです。
コロナ以降、ネットを使ったオンラインビジネス、自社サイトや業務フローのDX化の普及によって、高スペックで価格もお手頃なサーバーの需要は大きくなっています。自社のホームページとそれを収容するサーバーが高機能で使いやすいかどうかは、かなり重要な問題で、トラブルや障害の多いサーバーを利用している場合はなるべく早めの移転を検討をした方がいいでしょう。

サーバー移転の手順(ドメインそのまま)

サーバー移転にあたって、個人の趣味のホームページであれば、あくまでも自分だけの問題ですみますが、企業ホームページの場合は、自社のスタッフやお客様、取引先など多くの人に影響が出ますので、段取りをていねいにおこない、「ホームページやメールが使えない時間が発生しない」ように作業を進める必要があります。

このページでは、中小企業、個人事業主が、自社のホームページをドメインは変更せずにそのまま、現在利用しているサーバーから他社のサーバーへ移転する場合の手順についてご説明いたします。

サーバーの移転によって、ホームページのURLが変わったり、現在のメールアドレスが使えなくなったりすることはありません。

中小企業がサーバーを移転する理由で多いのは?

まず最初に「中小企業がサーバー移転する理由で多いもの」「なぜサーバーを移転する必要があるのか」についてご説明いたします。

サーバーの移転理由で多いもの

企業がホームページのサーバー移転を考える理由として多いのは、

※グラフはこれまで弊社にご相談のあったお客様のおおまかな統計です。
※統計は複数回答です。

●現在のサーバーのスペック不足(速度が遅い、容量が少ないなど)
40%
●現在のサーバーが頻繁に障害が発生する
25%
●今より良いサーバーが見つかったから
50%
●サーバー会社やサイト管理会社とのトラブル
38%
●現在のサーバーの管理がしにくい、難しい(運用上)
33%
●サーバーを管理する委託会社の変更、取引終了
70%
●現在のサーバーの料金が高い
55%
●ホームページのハッキングや消失でやむを得ず
25%

など、スペックや金額に関すること、サーバー会社やサーバーを管理しているサイト管理会社に関することが挙げられます。

スペックや金額に関すること

もっと良いサーバー会社を見つけたので乗り換えたい、低価格の共有サーバーを利用しているため夜になるとホームページの表示が遅くなる、画像を多数アップロードするサイトなのでサーバーの容量が不足気味になっている、メンテナンスや障害による表示の停止が頻繁に起きる、昔から契約しているサーバーなので金額が高いなどがよくある理由です。

サーバー会社やサイト管理会社に関すること

サーバー会社のサポートの対応が遅く問題が解決しない、サーバーはサイト管理会社が把握しているがとにかく対応が遅い悪いので乗り換えたい、長期の障害が発生した時の対応が良くなかったので失望して移転したいなどが挙げられます。「現在のホームページを管理している制作会社を変更したい」でもサイト管理会社の移管についてご紹介しています。後でご覧下さい。

基本的に現在のサーバーでトラブルや障害多発などの不満が無ければ、サーバーの移動をおこなう必要性は低いものの、皆様もご存じの通り、数年前よりもビジネスでネットを使う頻度(1日の中で使っている時間)はかなり増えており、=(イコール)企業のホームページを閲覧する時間も増えています。今後いっそうネット戦略を進めていくにあたって、現在のサーバーでは至らない点が多いのであれば、変更を検討というケースが多く見受けられます。

サーバーの移転はオフィスの移転と同じようなもの

サーバーの移転作業にあたっておおまかなイメージも事前に理解しておきましょう。

サーバーの移転はオフィスの移転をイメージするとわかりやすいです。
Aビルに入っていたオフィスをBビルに移転する際には、書類やテーブル、ロッカー、コピー機、電話、パソコン、ネットのルーター機器などを引っ越し屋さんのトラックで新しいビルに移動させて、借りたフロアでもネット、電話、電気、ガス、水道などを再契約して使える状態にします。最終的に移転後は以前のAのビルのフロアが空っぽの状態になって、電気やガスも停止されます。

サーバーの移転も同様に、
旧サーバーから「ホームページデータ」「(ワードプレスを使っている場合は)ワードプレスのシステム設定」「データベース」「メールアカウントの設定」「ドメインの管理」を新しいサーバーに移動させて、新しいサーバーで(水道光熱のように基本的なインフラ設定をおこない)ホームページやメールが使えるようにします。ただデータを移動させただけでは動きませんので、新しいサーバー側でサーバー構築、FTP、メール各種設定をし直す必要があります。このあたりが少し面倒な作業です。

サーバーの移転はオフィスの移転と同じようなもの

旧サーバーから移転させるものリスト

下記のリストは、サーバーを移転する際に、現在のサーバーから移動させる必要があるものです。一つでも漏れがあると、移転先(新しいサーバー)で表示されなくなる、不具合がでるので、しっかりと理解しておきましょう。

ホームページ

サーバーにアップしているホームページのデータです。だいたいはFTPでサーバーに接続してダウンロードすることが出来ます。ホームページを構成するhtmlやPHP、画像ファイルなどです。

ワードプレスを使っている場合はWPのシステム設定

ワードプレスを使っている場合は、ワードプレスの設定情報が必要です。これは多種多様、多岐に渡りますので、ここではご説明いたしませんが、サーバー移転でもっとも重要なポイントになります。

データベース

ワードプレスを使っている場合は、データベースファイルが必要です。ここにワードプレスで投稿した文章や各種設定が含まれています。

メールアカウントの設定

社員の皆さんが使用しているメールアドレスすべてリストです。サーバーの移動=(イコール)メールサーバーの移動となるケースが大半です。

ドメインの管理

ドメインはサーバーとセットに契約していることが大半ですが、契約上は「ドメイン管理契約」と「サーバー契約」は別になっていることが多いです。それぞれを移転させる形になります。

サーバー移転の手続き(失敗しない方法)

続いて、具体的なサーバー移転の手続きをご説明いたします。基本的な流れはどこも同じようなものですが、サーバー会社・制作会社によっては細部が異なる場合もあります。
これからご紹介する方法は、サーバーの移転に伴うホームページが表示されない期間の発生を防ぐことができます。既存のホームページやメールを停止させずに今まで通り利用できるようにしておくことが可能です。

まず自社のサーバーの契約状況を調べる

自社のサーバーの契約状況を調べておく

現在のサーバー会社、管理会社に移管や解約についてまだ何も言う必要はありません。
まずは現在の自社の契約状況を調べましょう。(これらの情報は最終的に必要になる情報ですので早めに用意しておいた方がいいです)
※ドメインやサーバーについてよくわからない人は、このあと詳しくご説明していますのでご安心ください。

どこの会社でドメインの管理をしているか( aaaaa.jp など自社のURLのこと )
どこの会社でサーバーを管理しているか(ログインID、パスワードなど)
ホームページ関連の費用をどこに払っているか
サーバーにアクセスするFTP情報(ID、パスワード)
ワードプレスの場合、管理画面のログイン情報(ID、パスワード)
SSL証明書の有無(サイトはSSLありか無しか)

現在のサーバーからコンテンツのバックアップを取る

現在の契約情報が揃ったら、次に現在のサーバーからホームページコンテンツのバックアップ(自分のPCにダウンロード)を取得します。
自社のサイトが一般的な静的htmlで構成されているのであれば、FTP情報をもとにサーバーにアクセスをしてダウンロードします。
ワードプレスで構築されているのであれば、少しやっかいですが、バックアッププラグインを使って取得したり、手慣れているのであればデータベースは phpMyAdmin などのツールで取得、コンテンツはFTPから取得します。

現在のサーバーからコンテンツのバックアップを取る

現在の契約情報が揃ったら、次に現在のサーバーからホームページコンテンツのバックアップ(自分のPCにダウンロード)を取得します。
自社のサイトが一般的な静的htmlで構成されているのであれば、FTP情報をもとにサーバーにアクセスをしてダウンロードします。
ワードプレスで構築されているのであれば、少しやっかいですが、バックアッププラグインを使って取得したり、手慣れているのであればデータベースは phpMyAdmin などのツールで取得、コンテンツはFTPから取得します。

●メールのバックアップ
現在のメールがPOP3で利用している場合は、過去の送受信履歴や受信トレイはパソコンに保存されていますので、サーバーを移転しても何ら問題はありませんが、IMAPを利用している場合は現在のサーバーにすべてのメールが保存されていますので、サーバーを移転すると過去のメールが消えてしまいます。対処方法としては、現在のメールのアカウント設定でPOP3を利用したアカウントを新規追加して、過去のメールを自分のパソコンにダウンロードしておくと良いでしょう。IMAPはデバイスに囚われない便利な仕様ですが、こういう時に困ってしまうのが難点です。

新しいサーバー会社に申込みをおこなう

旧サーバーに入っているデータをダウンロードしたら、次に新しいサーバー会社に申込みをしましょう。

ドメインの管理を移管する

現在利用しているサーバー会社で、サーバーの解約届けを出さなくても、ドメインの移管が出来る場合は、先行して早めに移管手続きを実施します。
ドメインの管理とサーバーは同じ会社でなくても問題はありませんが、多くのお客さまは同じ会社で管理していることが多いようです。

※解約届けを出さないとドメインの移管が出来ない場合はこのステップは飛ばします。
※ドメイン移管が完了しても、ネームサーバーは旧サーバーの情報のままにしておきます。まだ新しいサーバー会社のネームサーバーには変更しません。

新しいサーバーにコンテンツをアップロードする

次に新しいサーバーにコンテンツをアップロードします。現在のサイトは旧サーバーで稼働中なので、当然DNSは旧サーバーを向いています。
新しいサーバーにコンテンツをアップロードしたあとの動作検証は 自分のPCのhosts 設定を変更しておこなったり、サーバー会社のステージングサーバー機能を使っておこなう必要があります。

新しいサーバーにコンテンツをアップロードする

特にワードプレスの場合は、静的サイトと違って、データをアップロードしただけでは動きません。新しいサーバーのデータベースに接続して、これまで使っていたデータベースを再現させて、新しいサーバーで問題無く動くかどうかの検証が必ず必要になります。
この作業が一般の人には一番ハードルの高い作業で、多くの人がここで躓きます。もしデータベース(DB)の概念を理解していない場合は、専門の業者に依頼した方が無難です。

現在のサーバー会社に解約(移管)の旨を伝える

コンテンツのダウンロードが終わって、新しいサーバーにもアップロードが終わったら、現在の制作管理会社に連絡をして解約(移管)の旨を伝えます。解約日(サーバーが使えなくなる日)は、解約届書を提出した翌月末とか翌々月末などになっていることが多いです。

新・旧サーバーの契約期間は 必ず重複させるようにする

その際の注意点として、旧サーバーの契約期間と新サーバーの契約期間は意図的に重複させるようにしましょう。(最低でも1ヶ月)終了と開始の日が同じだと、移転作業遅れや不具合などのトラブルが起きた時に、ホームページやメールが使えなくなる期間が発生してしまいます。
重複期間は二重のサーバー費用が発生することになりますが致し方ありません。心配な場合は、旧サーバーの解約はすべてが終わってからでも良いと思います。

ドメイン管理の移管作業

解約届が受理されると現在の契約会社から、ドメイン移管に関する手続き、(またはコンテンツ移管に関する手続き)がおこなわれるはずです。この辺りのステップはサーバー会社によって異なります。

※すでにステップ4でドメインの移管が完了している場合は、このステップは飛ばしてください。

メールアカウントの設定

メールアカウントの設定

サーバーを移転するとこれまで使っていたメールアドレスのPOP3、SMTPサーバー欄やパスワードが変更になります。
新しいサーバーの管理画面から全員のメールアドレスを事前に発行しておいてください。発行したメールアドレスは最後(DNSを切り替えた後)に自身のメールソフトの設定を切り替えることで変更します。

ネームサーバーを変更する

上記の工程でドメイン管理の移管が完了すると、新しいドメイン管理の画面にネームサーバーの変更項目があります。この項目はお客様の方で特にいじくらなければ、ネームサーバー(プライマリ、セカンダリ)が旧サーバーの情報になっているはずです。

この部分を新しいサーバーのネームサーバー(プライマリ、セカンダリ)の情報に書き換える(修正して上書き保存)必要があります。早ければ数十分、遅ければ十数時間でDNSが旧サーバーから新サーバーに切り替わります。

●メールの切替

DNSが切り替わるとメールの送受信がエラーになりますので、そうしたら自分のPCのアウトルックなどのメールソフトのアカウントに新しいPOP3、SMTPサーバー欄やパスワードを入れて保存してください。

●ホームページの切替

ホームページのデータは旧サーバーから新サーバーにそのまま移動させただけなので、サーバーが切り替わっても同じで見分けがつかない状態のはずです。

SSL(暗号化証明書)の発行

SSL(暗号化証明書)はDNSが当該サーバー(新しいサーバー)に向いていないと、発行できないことが大半なので、この時点で新しいSSLを発行する必要があります。旧サーバーでSSL化していた方は、この切替の多少の時差において、自社サイトでの非SSLが表示されることになります。
※厳密にいえば、DNS切替前に発行できるありがたちSSLサービスやホスティング事業者もありますが、ここでは説明を省きます。

サーバー会社の変更手続き完了

以上でサーバー会社の移転が完了です。

サーバーの移転手順についてご説明をいたしました。

サーバー移動はサーバーの新規契約のみならずコンテンツの移動、ワードプレスデータベースの移動、メールアカウントの移動、そして新しいサーバー側ではコンテンツのアップロードや環境設定、そしてネームサーバーの切替など作業がかなり多岐に渡ります。企業のサーバーとホームページ移転は多くの取引先やお客さん、そして自社のスタッフが関係していますので、慎重に進めることが求められます。

他社サーバーから弊社へサーバー移転
危うい場合は弊社にお声がけ下さい

サポートデスク

サーバの移転をご検討のお客様は弊社サーバーもぜひご検討ください。全国どちらのお客様でも大丈夫です。

ツアーオンラインの「ホームページ 保守管理サービス」は、サーバーもホームページも両方とも並行して管理しているのが特徴です。現在、他社で管理しているホームページとドメイン、サーバー、メールアドレスをそのまま弊社サーバーに移動(他社サーバーからの乗り換え)させた上で管理を引き継ぎいたします。お客さまがやっていただく作業はほとんど無くなります。

ホームページの管理はA社、レンタルサーバーの管理はB社のようにバラバラだと、サイトに何らかの障害が発生した時に「原因がサーバーにあるのか、ホームページにあるのか」がわかりにくく、サポートも別々なので、復旧に時間を取られてしまいます。
また契約を別々にしていると何かと煩雑になりがちですが、弊社ではこの2つを一括して承ることで 日々の更新作業、障害発生時の対応、サポート面、ご契約やお支払い などでスムーズかつ安心安全な対応を実現しています。

ツアーオンラインのサーバー機能
ホームページ保守管理サービス

お急ぎの場合は、この下に弊社のフリーダイヤルを載せていますので、お気軽にお問い合わせください。

※弊社では申し訳ございませんが移管作業(引越作業)のみの案件は承っておりません。同時にサーバー、ドメインも弊社側に移管していただいております。

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