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ホームページの
更新代行業務とは?
作業内訳や
費用を解説
今回はホームページの更新代行業務についてくわしくご説明いたします。ホームページの「更新」とは、一般的にはホームページの文章の修正、画像やPDFの修正や差し替え、新規ページの追加、レイアウトの変更などのことを指しています。
「事業の免許番号が変わったので変更したい」「製品の写真が古くなったので差し替えたい」「財団の今年度の決算資料のPDFを追加したい」といった時にはサイトを修正する必要がある訳ですが、経営者自身で更新することもあれば、自社のスタッフがおこなうケース、または今回のテーマのように外部の制作会社やデザイナーに代行を依頼することもあるでしょう。
その場合でも、自社の更新頻度に応じて、最適な方法をチョイスするのが、無駄なお金と時間を使わないのがコツです。
このページでは「自社サイトを最近、ぜんぜん更新していない」「更新したいのだけどどうすればいいのかわからない」といった企業向けに、ホームページの更新代行業務と作業の内訳、費用感についてご説明していきます。出来るだけ分かりやすく書いていますのでぜひご覧ください。
「ホームページの公開と活用が重要な理由」にもあるように、最近の企業のホームページ開設率は、大企業でほぼ100%、従業員100名以上の中小企業で90%くらい、100名以下の小規模企業でおおよそ60%程度と言われています。今ではすっかりビジネスに欠かせないツールになりました。
ホームページの特徴、強みは、一度印刷したら変更が出来ないパンフレットやチラシなどの印刷物と違って、自社の好きな時に、いかようにでも内容の変更、修正がおこなえることです。これは企業ビジネスのように、組織や製品サービス、サポートの内容が、目まぐるしく変化していくものにはうってつけの情報発信手段ともいえます。コロナ禍以降はオンラインからの受注も増えていますね。
他方で、制作会社からホームページを納品、公開してもらった後は、ほとんど更新していない、季節の休みくらいしか追加できていない企業サイトも時々見かけます。
これは人手不足のため更新に時間を割けなかったり、費用がかかるから後回しにしていたり、あとはそもそも更新する内容があまりないからという理由もあるでしょう。
企業がホームページを立ち上げた理由としてもっとも多いのは、「会社案内、人材募集」と「商品や催物の紹介、宣伝」です。
よく言われていることですが、ホームページの更新を定期的におこなうことで、結果的に自社の知名度のアップや商品宣伝、人材募集など、当初の目的を即達成とまではいかなくても、強化できるのです。
まったくホームページの更新をしていない会社と更新をしている会社では、仕事を依頼する側としてはやはり更新をしている会社に頼みたくなります。弊社のアンケートでも、頼みたくない理由として、「仕事もあまり忙しそうに見えない会社だから」「今の時代ホームページでの告知は重要なのにおろそかにしている感じがするから」といった回答が出ています。「ホームページを放置状態にしておくとこんなデメリットが発生」を参照。
それは、サイトの更新も仕事の一部のはずであり、サイトをこまめに更新している会社は、仕事もしっかりやってくれそうに思えるからです。サイトを通じていつの間にか「信用」を築いているのです。
また更新を定期的におこなっていくと、常にサーバーのタイムスタンプが新しくなります。結果的に、GoogleやYahoo!などの検索エンジンが「頻繁に更新修正しているサイトは新鮮で賑わっている会社だ」と判断して、検索したときの結果順位が上がっていきます。これも更新の大きな効果です。Google対策については「SEOの王道は更新とコンテンツ」を参照。
このようにホームページの更新をおこなうことは、目に見えない、いろいろなメリットがあります。もし更新が滞っていて、自社でサイトのアップが出来る場合は、なるべく時間を割いてアップしていくようにしましょう。見込み客からの反応がよくなるはずです。
次の項では、ホームページの更新代行を外部の制作会社やデザイナーに依頼する場合のケースについて説明いたします。
続いて、ホームページの更新作業を外部の制作会社やデザイナーに依頼する場合のメリットについて話しを進めていきます。
一般的に更新作業はホームページを管理している会社やデザイナーがおこなうことが多くなりますが、もし管理者不在の場合はITが得意な人を見つけてくる必要があります。
更新代行を依頼すると下記のようなメリットがあります。
餅は餅屋のことわざのように、ホームページ制作会社に依頼をすると、だいたいの場合はすぐに更新作業をおこなってくれるでしょう。電話やメールで概要を伝えればOKのところが大半です。人手不足で更新作業の時間が取れない、自社のスタッフには依頼しにくい企業にとっては、メリットが多いにあります。
企業対企業のビジネス取引なので、友人や知人に依頼するのと違って、気兼ねなく細かい指示を出しやすいという、良い意味での気楽さもあります。
ウェブのプロに依頼をすると質の高い成果物が期待できます。自分で作るのとは大違いのはずです。
特にバナーやスライドショーなどの画像系、機能追加などのプログラム系です。多くの制作会社は普段から Illustrator や Photoshop を使って制作をしていますので、バナーなどの制作はお手のもの。有料のフォトストック素材などをうまく使ってクオリティの高いデザイン画像を納めてくれるはずです。自身が作るとどうしても見劣りしてしまいますね。
またWordPressの運用に必須のプログラムのカスタマイズは高度なスキルを必要とします。自社では確保が難しいエンジニアの技術を利用できるのも大きなメリットです。
自社でデザイナーを正社員やアルバイトを雇用するとそれなりの人件費や法定福利費がかかります。
一方、制作会社に依頼する場合は、スポットor定期契約のどちらにせよ、必要な時だけ必要なお金を払うことになりますので、ホームページの運用や更新に関する費用を抑えられます。
大きな固定費が必要ないこと、これも企業にとっては大きなメリットです。
ホームページ制作会社に(スポットではなく)定期契約をした場合は、更新代行作業以外にも、ホームページの運用に関する相談、SEO(検索エンジン対策)の相談などにも乗ってくれる可能性が高くなります。自社のIT部隊です。
自社の税務トラブルに関することは気楽に顧問税理士に相談できるのと同じように、自社のITやウェブのトラブルに関することは制作会社に相談出来る関係が構築できるかもしれません。IT化、DX化が進む現代においては中小企業にとっても大いに助かる話しです。
これらが更新代行業務を制作会社などに外注するメリットです。
特にコロナ禍以降、人と人が直接会うことが減り、訪問や来店も少し憚られる世の中になっています。政府や行政も中小企業のIT化に多くの予算を計上して、新規事業やオンライン販売など、事業の変革を強く求めている中で、「4」の顧問的な存在の確保は、ITに精通した会社を自社の味方に出来るので経営者としても助かるのではないでしょうか。
ここであらためて留意しておく点として、ホームページ更新代行のカバー範囲についての問題があります。
一般的にいう「更新作業」とは前述のように、文章や画像などホームページ内部の修正を指すことが多いのですが、ホームページを実際に運用していくにあたっては、収容するサーバーやデータベースに関する作業、ドメインやSSL(サイト暗号化)、メールに関する作業なども必須になり、カバーする範囲がかなり広くなります。これらは「保守・運用管理業務」に含まれることが多いのですが、その境界線はあいまいといえばあいまいで、ウェブが本業ではない一般的な中小企業がすべてをちゃんと理解するのは難儀なことです。
そうすると、何らかの不具合が発生した際に、依頼する側(サイト所有者)からすれば「この範囲も代行契約に含まれていると思っていた」、制作会社やデザイナーからすると「この範囲はもともと含まれていません」といった認識の行き違いがおきやすくなります。
実際、制作会社によっても、デザインがメインの会社、サーバーやプログラムがメインの会社など、祖業の成り立ちが異なるため、対応できる範囲はまちまちです。
特に継続的な契約をすることになった場合は、ホームページ(コンテンツ)以外のサーバー、ドメイン、SSL、メールについてもカバーしてくれるのか否かを事前にきちんと確認しておいた方がいいでしょう。このことは「ホームページの保守とは?作業内訳や費用を解説」に詳しく載せていますのであとでご覧下さい。
続いて、ホームページ更新代行の依頼方法パターンと費用感についてご説明いたします。
ホームページ更新作業の主な作業内容は、各社によって表記の仕方や請負い方、時間単価が異なりますが、一般的に多いのは下記のパターンです。
ホームページの更新にあたっては、収容されているサーバーにアクセスする情報(IDパスワード)やCMSの場合はログインURLやIDパスワードなどの重要な情報と管理が必要になるため、単発(スポット)では受け付けていない制作会社も多くあります。
ひとつずつ補足していきましょう。
作業ごとに都度、お見積りは、ホームページの修正箇所を制作会社に伝え、その都度、見積を出してもらい、OKであれば作業に着手するパターンです。もっともシンプルでスタンダードな方法です。依頼側も発注前に作業費用を確認・稟議出来るので、安心して頼めるメリットがあります。
作業費用はもちろん各社によって異なりますが、弊社含め、ホームページ制作業界の同業他社の動向を見ていると、おおよその費用感は下記のような感じでしょうか。
ー 更新代行 おおよその費用感 例 ー
文章テキスト修正 | ホームページの文章テキストを修正する作業です。何文字いくらで計算する会社もあれば、おおまかに1箇所いくらで計算する会社もあります。だいたい1箇所3,000円~5,000円くらいの会社が多いです。ページが多岐に渡る場合は加算されることが多いです。修正箇所が多い時はボリュームディスカウントがある会社もあります。 |
写真の修正・加工 | 製品・サービスや会社案内に載せている写真を差し替えるor追加する作業です。元データのリサイズや既存レイアウトとのサイズ調整などを含めて、1枚5,000円~10,000円くらいの会社が多いです。枚数が多い時はボリュームディスカウントがある会社もあります。 |
バナー画像作成 | バナー画像を作成して設置&リンクを張る作業です。料金はバナーのサイズによって異なりますが、小さいもので5,000円~大きいもので15,000円~くらいの会社が多いです。 |
ページ追加作成 | 新しくページを作成、追加する作業です。1ページ30,000円~50,000円くらいの会社が多いです。デザインやレイアウトを既存のサイトと大きく変える場合は、LP(ランディングページ)扱いとなって、費用はアップします。 |
SNSや動画の設置 | ホームページにツイッターやインスタなどのSNSを埋め込む作業です。すでにアカウントを取得済みの場合で1回10,000円~20,000円くらいの会社が多いです。 アカウントの新規取得から始まる場合はもっと高くなります。 |
月額の定額料金は、上記のように都度見積を出すのではなく、月5時間までの作業で○万円などの時間を設定して、その範囲内で自由に更新を依頼出来るパターンです。そのため継続的な取引、契約が条件になります。毎回見積をもらうのが面倒だ、依頼してすぐに作業に着手してほしい、といった企業が利用しています。
おおよその月額の費用感は、各社によってまちまちですが、だいたいは人工(にんく)で、作業する人の労働力と時間がベースになっていることが多く、たとえばA+というレベル(スキル)のデザイナーが8時間働くと日給で20,000円だから、月額の定額はいくらといった感じで決められることが多くなります。想定作業時間によって月額定額プランが分かれており、月20,000円~100,000円くらいが多いように思えます。
この方法はあらかじめ更新代行にかかる費用を1年単位で予算計上出来るので、企業側にとっても管理が楽だというメリットがありますが、一方で、作業を依頼しても依頼しなくても月額費用は変わらないということになります。その点は会社によっては「使用しない場合は繰越OK」を設けているところもあります。
もっとも自社でデザイナーを直接雇用しようとすると月に数十万円+法定福利費は最低でもかかりますので費用面では抑えられます。
月額定額パターン 費用参考 | 制作会社のデザイナーやエンジニアの人工(にっく)をベースに決めることが多く、 だいたい月額定額で 20,000円~100,000円くらいが多いように思えます。 |
時間報酬は、あらかじめ作業担当者と作業1時間いくらで決めておき、あとは自由に修正を依頼して、最後(月末など)にまとめて請求が来るパターンです。月によって作業量にバラツキがあるので月額定額では不向きの場合や、シンプルに1時間いくらで請求するので両社ともわかりやすいのが特徴です。
このパターンは本人が提示した報酬、本人のスキルによって大きく上下するので一概には言えませんが、Webデザイナーでだいたい1時間 2,000円~、エンジニアで1時間 5,000円~くらいが多いように思えます。
ただ、出社してのアルバイトや派遣であれば、タイムカードを押して勤務時間を明確に管理出来ますが、時間報酬の場合はほとんどがリモート、フリーランスなので、オフィスとは違う場所で仕事をすることが大半です。クラウド型タイムカードシステムなどを使って進めるものの、依頼者は常時、仕事内容を監督することが出来ないため、お互いの信頼関係が前提で成り立つ方法になります。
ちなみに、大手企業などで、この手の時間報酬パターンを大量採用しているところは、作業担当者全員に常時、Zoomのようなオンラインでの顔の映し出しを義務づけたり、画面の共有システムを使って常時作業の進行を把握しているケースもあります。
時間報酬パターン 費用参考 | デザイナーやエンジニアが持つスキルによって大きく上下しますが、 Webデザイナーでだいたい1時間 2,000円~、エンジニアで1時間5,000円~くらいが多いように思えます。 |
この3つが更新代行の依頼方法パターンと費用感になります。自社サイトでの発生頻度や制作会社のスタンスによってもっとも適切なパターンで進めていくと良いでしょう。最初は都度見積パターンで実施して、予想以上にやりとりが煩雑であれば、月額定額に切り替えるなどの方法も良いかもしれません。
続いて、ホームページの更新作業を外部の制作会社やデザイナーに依頼する場合の「注意点」ついてご説明いたします。
あらかじめ自社サイトの更新がどの程度発生しそうなのかをイメージしておきましょう。月に何回も修正が必要なのであれば、スポット対応ではなく月額定額での契約や思い切ってデザイナーを雇用した方が結果的にスムーズにいきますし、1年に数回しか更新しないのであれば都度、見積をとるパターンの方が安心でしょう。
また更新の緊急度も大事です。自社は更新が必要になってから完了するまでの日数がいつも緊急なのか、それともほとんど出来次第でOKなのか、によって、依頼できる制作会社は変わってきます。どの場合でも早いに越したことはないのはもちろんですが、急ぎ対応は費用がアップしてしまうのが世の中の常です。
ホームページの更新代行に関することはすべて依頼(丸投げ)するのは楽ですが、どうしても月々の費用が高めになってしまいます。
自社にHTMLに関する知識があるスタッフがいる場合や、WordPressなどのCMSを使っていてお知らせなどの軽微な更新は頑張れば自社でも出来る場合は、「この部分だけを外注しよう」とイメージしておくことで、不要なコストを抑えることができます。
外部の会社に依頼をしようと思ったら、同時に自社の担当者(先方との窓口)を決めておきましょう。
制作会社と1回きりの取引で次は無いのであれば良いのですが、だいたいの場合は定期的に更新作業が発生するものです。自社の担当者を決めておくと、前回依頼した時の経緯や先方が話していたことなど、大事な流れが頭に入っていますので、仕事がスムーズに進みます。
また制作会社に渡す素材(社内文書や画像など)も一人の人が管理していた方がすぐに見つけられて楽です。
ホームページの更新代行の会社、外部委託先を決めるにあたって、大事なポイントはどこにあるのでしょうか。一般的には、ホームページを作った会社が保守管理も継続して担当していることが多いのですが、管理だけを別の会社に依頼しているケースや、自社の社員・スタッフだけが管理しているケース、管理者不在で何となくそのまま来ている会社もあります。
ホームページの運用代行はとても大事なもので、作業をしてもらうには、ウェブサーバーへのアクセス情報、WordPressなどCMSのログイン情報を渡す必要があります。オフィスで言えば出入り自由な合鍵を渡すようなもので、情報の扱い方によっては流出や改ざんといった事態になってしまうほか、
自社のドメインやメール、ネットワーク環境と密接に結びついており、ひとたびトラブルや不具合が発生すると、復元までにそれなりの時間を要してしまいます。そのためネットワークとは無縁のパンフレット印刷デザインの修正とは大きく異なるのです。信用できる会社、人を選ぶ必要があります。
ホームページの管理・運用会社に求められる能力は、サイト所有者の要望や不満を聞き取り解決する能力、サイト所有者の希望するデザイン修正やプログラム修正に柔軟に対応する能力、ホームページトラブル時にサーバーとコンテンツの問題を見分けて適切に処理できる能力などです。別ページの「ホームページ管理会社・運用委託先の選び方」に詳しくまとめていますので、続いてご覧下さい。
ホームページの更新代行業務についてご説明をいたしました。
スマートフォンの普及とコロナ禍の影響で、ホームページの重要度が増すのと歩調を合わせて、ホームページ公開後の運用や更新、修正を担当している更新管理会社・運用委託先の存在も重要になってきます。
ホームページ制作業務は、「初期制作で求められる能力」と公開後の「サイトの管理・運用(修正、更新、追加など)」では求められる能力が異なります。現在のホームページからの問い合わせが少ない場合はなるべく早く見直しをしてみましょう。もし現在のホームページ制作会社では難しそうな場合は弊社にご相談ください。
更新代行会社・委託先の選び方、考え方についてまとめた「ホームページ管理会社・運用委託先の選び方」や「放置状態にしておくとこんなデメリット」をご覧下さい。
続いて、スマートフォン普及時代のホームページの重要性についてご紹介した「スマホ対応サイトがとても重要な理由」や「ホームページが重要な理由」をご覧下さい。実際にホームページを作ることになった場合は「ホームページ作成公開に必要なものと進め方」も一読ください。
続いて、コロナ後の経営課題、「ホームページによる情報発信とインターネットでの受発注」が最も重要や、「ホームページリニューアルの目的とメリット、進め方」をご覧下さい。