— Advice
ページ数の
多いサイトは
SEOに強い
企業ホームページにおいて、しばしば話題に上がるのが「質より量か」「量より質か」という点です。
でもホームページ運営に関して言えば、「質」と「量」の双方を並行して追求していかなければ、うまくいかないケースが多いのです。
このページではDMやテレフォンアポイントメント(テレアポ)のアプローチ方法やフロー、レスポンス率、かかる経費と費用対効果を元に、「なぜページ数の多いサイトが重要なのか、検索エンジンで強いのか」を調べていきます。
企業ホームページ、特にBtoB(企業向けビジネス)のサイト運営においては、しばしば「質より量か」「量より質か」という点が話題に上がります。
ここでいう「質」とはコンテンツの品質のことであり、「量」とはアクセス数やページ数などのボリュームを指しているのですが、物品など形のあるものとは違って、ホームページ運営に関していえば、一方だけを優先してもなかなかうまくいきません。自動車は両輪が無いとまっすぐ走れないのと同じように、ホームページ運営も「質」と「量」の双方を並行して追求していかなければ、せっかくの努力も徒労になってしまう可能性があるのです。質の高くないページだけをむやみに増やしても駄目なのです。
特に下記の点について
ホームページを運営する企業にとっては実に難しい問題です。頭を悩ませている担当者も多いでしょう。
「アクセス数(来訪者数)を増やす」「お問い合せや資料請求の件数を増やす」ためにはどうすればいいのでしょうか。本旨の「ページ数が多いサイトは強い」となにか関連性があるのでしょうか。
ここではDMやテレアポなどのレスポンス率データを見ながら、ページ数を増やすことが、お問い合せ件数や資料請求数のアップにどうつながるのかという点を説明していきます。
ここでまず最初に顧客獲得のためのアプローチの流れについてご説明いたします。
私たち企業は実際の営業活動において、顧客獲得のためにさまざまな方法を使って見込み客へアクション、アプローチをおこなっています。主なところではDMやテレフォンアポイントメント(テレアポ)、飛び込み営業、展示会出展、セミナー開催などでしょうか。既存顧客との取引が中心という企業の場合は取引額の増加がポイントになります。
そのフローを考えた時に、手法によって多少の違いはありますが、一般的には下記の流れで
だいたいはこのように進んでいくはずです。
ホームページの場合は、事業者側でさまざまな情報や素材を用意した上で、検索エンジンで調べてきた「すでに興味や関心がある人」に向けて、「どうぞ、ぜひ見ていってください。気に入ったらご注文ください」というスタイルを取ることになります。イメージとしては「展示会出展」に近いかも知れません。
マーケティング視点の戦略についてはこちらの「企業サイトの(製品・サービス紹介)作成で重要なこと」もぜひご覧下さい。消費者にニーズついて書いています。
続いて、レスポンス率について焦点をあててみましょう。
レスポンス率とは反応率、アプローチした数に対してどれだけのリアクションがあったかということです。内容は受注であったり、資料請求であったり、会員登録であったりアプローチ側の設定した目的によって異なります。
ホームページの場合は、コンバージョン[Conversion]という言葉が使われます。IT用語辞典には「広告や企業サイトの閲覧者が、会員登録や資料請求、商品購入など企業の望む行動を起こすことを言う。「単なる訪問者から会員や(見込み)顧客への転換」という意味合いがある」とあります。
この率の高い低いにはサービス内容、価格、ブランドなどさまざまな要因がからんできます。
当然のことですがレスポンス率100%というのはありえません。凄腕のセールスマンであれば、世間一般の確率を大きく上回る結果を出せるのかもしれませんが、一般的にはこれまでのデータから100社に1社の確率とか50人に1人が購入とか、ある程度の目安が出ているわけです。
ここでちょっと日本郵便株式会社が発表しているDMレスポンス率のデータがわかりやすいので見てみましょう。
顧客でない人に、1万円程度の家庭用品を販売する | レスポンス率は 1%以下 |
資料やサンプルを請求した人(見込客)に販売する | レスポンス率は 10%が目安 |
企業の常顧客に対する販売目的のDMを送る | レスポンス率は 10%以上 |
アンケートDM(千円程度の謝礼を約束) | レスポンス率は 40%程度 |
キャンペーンの案内を過去に応募してくれた人(ヘビーユーザー)に送る | レスポンス率は 80%以上が応募 |
DMの場合、顧客ではない人(新規)にDMを送って購入してもらえる確率は1%以下と出ています。100人に送って1人ですから、けっこう厳しい数字です。
参考 日本郵政: https://www.post.japanpost.jp/yubin_dm/
では顧客獲得にかかる費用(コスト)を計算してみましょう。DMの新規顧客開拓率を仮に1%と仮定します。1通300円の経費(郵送&作成)がかかるDMを1,000通送った場合の経費は300,000円(30万円)です。確率が1%なので1,000通だと10人(10社)が購入してくれる計算になります。30万円かけて10人(10社)の受注。1人(1社)に販売して3万円の利益が出るビジネスであれば成り立ちます。
もちろんこのパーセンテージの増減には前述のように価格やニーズ、季節、サービス内容などがからんで来ますから、一概には言えませんが、おおよそこのようになるということです。
ここでマーケティング担当者の出番になります。本件の命題は「顧客獲得の確度を上げて行く」こと。つまり成功率1%のものを2%に、40%のものを45%にあげていくことです。
各フェーズ(段階)でテスト~実践~改善を繰り返していきながら、顧客獲得の確度を上げていきましょう。
例えば最初の「不特定一般客へのアプローチ」では、使用するリストの精査、電話をかける時間帯やエリア、出展する展示会の内容精査です。
2番目の「興味や関心を引き出す」では、季節や時流にマッチした「タイミング」、デザインやキャッチコピーなどの「クリエイティブ」、10%OFFや期間限定特典などの「オファー」などを調整しながら確度を挙げていきます。
これまでご説明してきた「顧客獲得までのフロー」や「レスポンス率と費用対効果」のロジックはネットの検索エンジンの世界でも成り立ちます。むしろ「発送コスト」や「印刷コスト」「営業社員コスト」がほとんどかかりませんので、顧客獲得に最も適した(強い)媒体だといえます。
ネットの世界において「ウェブサイトのページ数」は、「パンフレットのページ数」「チラシの枚数」と同じ意味を持ち、それは販売促進で考えれば「DM発送部数」「新聞折込部数」と同様のパワーになります。
1ページしかないサイトは一枚のビラ、10ページのサイトは10枚のビラを配っているのと同じ
ホームページを公開するということは、ウェブを経由してひとり一人のユーザー(見込み客)へのアプローチが可能になります。そのときに1ページしかないサイトは一枚のビラを配っているのと同じで、10ページのサイトは10枚のビラを配っているのと同じことになります。つまり端的にいうと「ページ数の多い方がパワーが強い」です。
仮に1ページに500文字しか無いサイトはどんなに頑張っても500文字しか検索の対象になりません。そのページに入っていない文言が検索で登場することはほとんどありません。さらに現実的には、ページのタイトルやテーマが重視されるのでもっと低く、上位表示の対象となるキーワードはせいぜい1ページで2、3つです。
これは実際の数値や検索結果ということではなく、ページ数が多いサイトのメリット、ページ数における検索エンジン対策の概念を説明したものです。
1枚のビラを配るのと、100枚のビラを配るのでは、確率的にいっても100枚のビラの方が、見込み客を獲得できる可能性は高くなります。
ましてやウェブの世界は印刷物のビラのように配って終わりではありません。HTMLのページとしてサーバーにずっと残って、表示されています。何度でも同じビラ(ページ)をさまざまなユーザーに見てもらうことが出来るのです。コスト面でも効率面でもとても優れたアピール手段なのです。
とはいっても、ページの増やし方にもポイントがあります。中身の薄いページをむやみに大量生産しても、効果は薄く、おそらく徒労に終わります。もしくは瞬間的に良い感じになるかもしれませんが、時間を経ると大きく下がります。中身の薄いページを10ページ作るのであれば、中身の濃い(有益な)ページを2ページ作った方がいいです。
アクセス数(来訪者数)を増やしていく
企業の一つのテーマの沿って戦略的にページを増やしていく事が重要で、結果的に数ヶ月後に、SEO検索エンジン上位表示対策として効果が現れ、そしてアクセス数のアップに繋がります。
テーマは、まずは自社の製品やサービスに関することをメインに進めていき、そのほかには自社の理念などのブランド化(共感してくれる人を増やす)や業種自体のアピールなどもおすすめです。
1つめの方法は、商品やサービスの情報をおおざっぱに概要だけ載せるのではなく、細分化してていねいにわかりやすく載せることです。
具体的には、商品情報ページ、サービス情報ページを分解して、1つの商品やサービスに対して1~3ページずつ作っていきます。「そんなに載せることがない」という話しになるかもしれませんが、お客が購入する前(比較検討段階)のこと、購入した後(解決や導入効果)のことをふくらませて書いていきます。あなたの専門の仕事の話しです。いくらでも書けるはずです。
自社商品やサービスの品質に関する詳しい説明、性能の良さのアピールが書きやすいでしょう。「品質・性能の良さ」はお客がもっとも気にしている点です。同業他社との比較を入れたり、イラストや利用者の感想を入れたり、無味乾燥なスペック表にならないように見せ方も工夫するといいでしょう。
このあたりのアドバイスは「企業サイトを作成する際に意識しておく点」にも詳しく載せています。あわせてご覧下さい。
2つめの方法は、製品やサービスに関するお役立ち情報を載せることです。これもお客が購入した後に得られる効果や改善、利便性の向上などをわかりやすく載せます。
例えばあなたの会社がリフォーム会社で、リフォーム工事の問い合わせや資料請求を増やしたい場合、増やすべきページは「リフォームを題材にしたページ」です。
工事の流れや工事のポイント、自社の特長、リフォームのノウハウやうんちくコラム、最近のリフォーム流行事情やお薦めデザイン、リフォームの税制問題などなどを、定期的に増やしていきます。
アクセス数(来訪者数)を増やしていくには、
Google広告やYahoo!広告などを出していく方法や、SNSを活用していく方法など、さまざまな取組方がありますが、いずれの場合も、受け皿となる企業サイトがしっかりしていないことには、最後に離脱されてしまいます。まずは自社サイトをしっかりと作り込む(またはしっかりと改善、改修する)ことから始めましょう。
前述したように、ホームページは「質も量も」並行して進めていくことがとても大事です。中身の薄いページをむやみに大量生産しても、効果は薄く、おそらく徒労に終わります。むしろ検索エンジン対策としては逆効果です。
質の高いコンテンツが載ったページをどんどん増やしていきましょう。「SEO対策は定期的な更新とコンテンツの充実が重要」にも詳しく載せていますのでご覧下さい。
上記のようなさまざまな取組、不特定の一般客へのアプローチをおこない、全体的なアクセス数を増やして行きます。自社の目指すキーワードで検索して訪問してくれたお客はいわばとても大事な見込み客です。受動的ではなく能動的に行動してくれた人たちです。
店頭やオフィス来所であれば、お客の顔を見ながら、提案方法を変えて、セールスを進めていくことが可能ですが、ウェブサイトの場合はそうではありません。訪れたお客に対して、自社が設けたアクション(お問い合わせフォームや資料請求、会員登録など)へ誘導をしていくことが必要になります。
営業担当は「人」も大事だが「自社ウェブサイト」経由も増やす、「会社案内サイト」から「オンラインで受注出来るサイト」へ転換、自社ホームページの見直しからスタートなどについて、別ページの「ホームページの改善~インターネットで受注が出来るサイトへ」に載せていますので、あとでご覧下さい。
「ページ数の多いサイトはSEOに強い、その理由を解説」のご説明をいたしました。
これまでご説明してきた「顧客獲得までのフロー」や「レスポンス率と費用対効果」のロジックはウェブや検索エンジンでも成り立ちます。むしろ「発送コスト」や「印刷コスト」「営業社員コスト」がほとんどかかりませんので、顧客獲得に最も適した手段だといえるでしょう。
DMであれば、送付しただけのコストがかかります。また半年、1年後にそのお客様からレスポンスがあることなどほとんどありません。いわば短期勝負です。
それに比べて企業ホームページの場合は、ページ数増加の効果はほぼ永遠であり、CMSなどのコンテンツ生成システムを使えば、追加ページの制作自体もほぼゼロに抑えられます。
このように「ページ数は多い方がいいのかどうか」という論点だけで考えると、「数は力なり」ではありませんが、ページ数が多い方がマーケットに対して影響力を持つことが出来ます。これは間違いありません。
もちろん、中身の薄いページをむやみに大量生産しても、効果は薄く、おそらく徒労に終わります。もしくは瞬間的に良い感じになるかもしれませんが、時間を経ると大きく下がります。中身の薄いページを10ページ作るのであれば、中身の濃い(有益な)ページを2ページ作った方がいいです。
一方で、一つのテーマに沿ってページを増やしていくということは、それなりの調査や勉強が必要ですし、時間も取られます。一人で続けようとはせずに、社内の輪番で書いていくとか、ライターを雇うとか、うまく調整しながら進めていくと、継続できるのではないでしょうか。
中小企業は大手と比べて、顧客数が少なく、資本も限られているのが大きな悩みです。大手のようにテレビCMや新聞広告で一気に大量に見込み客を集めることはできません。どうすればいいか。従来の営業活動と並行して、低コストで情報発信が出来る自社のウェブサイトを活用して進めていくことが大切です。
企業ホームページのことでお困り、お悩みの方は 弊社にご相談ください。この記事のようなマーケティング、経営者視点で、企業サイトの改修や保守サポートをいたします。