— Advice
ホームページ
リニューアルの
目的とメリット
進め方
ホームページを公開してからそれなりの年月が経つと、「掲載している情報がたくさん増えすぎて、整理ができなくなった」「見た目が古くなってしまった」など、運営上の課題や要望が少しずつ出てくるようになります。
その都度修正をしていけるのがホームページの強みではあるのですが、構造上の無理が出て来た場合や時代の流れとマッチしなくなって来た場合は、古くなったパソコンや営業車を買い換えるのと同じように、リニューアルをする必要が出て来ます。
でも一般的な企業ホームページのリニューアルには目安となるスパンやタイミングはあるのでしょうか。
またリニューアルをすることが決まった場合はどのように進めていけばいいのでしょうか。会社によっては事前に会社稟議で予算を取って上司の承諾を得る必要もあって、いろいろ迷われる方も多いと思います。
このページでは、以下の流れで、ホームページのリニューアルにの進め方について詳しくご説明いたします。
・目安となるスパン(期間)はあるの?
・ホームページリニューアルを考えるタイミング
・リニューアルで心配になる点
・ホームページリニューアルのメリット
・事前準備:自社サイトの課題抽出
・ホームページ制作会社のピックアップ
・制作会社に見積依頼をする時に伝えること
・サイトリニューアルを成功させましょう
ぜひホームページリニューアルや制作会社選びの参考にしてください。
ホームページは大体何年ごとに変えるのがベストなのでしょう。リニューアルには目安となるスパン(期間)はあるのでしょうか。
パソコンなら新しいOSが登場した時、車ならモデルチェンジや車検のタイミング、壊れてしまった時という風に、外部要因もあるのである程度見当がつきます。でもホームページの場合はこれといった目安がありませんので、ずいぶん昔に作ったままという会社も多いのです。「何年前にリニューアル費用を計上した」という前例、目安があまり無いので、経営者の方やWeb担当者の方も考えてしまうんですね。
参考までにトヨタ自動車のサイトリニューアルの間隔は
参考までに日本を代表する企業・トヨタ自動車株式会社の公式ホームページのリニューアルの期間を調べてみました。トヨタには無数のサービスサイトがありますが、一番大事な企業公式サイト(日本語)の場合です。
同社のプレスリリースによれば、2011年にサイトリニューアル、次が2014年にリニューアル、そして2019年にサイトリニューアルとなっています。3~5年くらいの間隔で刷新しています。
参照URL
・2019年トヨタリニューアル
・2014年トヨタリニューアル
・2011年トヨタリニューアル
ちなみに2011年のリニューアルコンセプトは、
・見やすいメイン画面や次のページを見たくなるような画像アイコンを配置
・平易な記述とわかりやすい画像や動画・図解を多数掲載
・文字情報を極力減らし、iPadなど指やペン対応で大きめの画像アイコンを配置
・画像中心の視覚的・直感的・先進的なデザイン、などを挙げています。10年以上前の話です。
2014年のリニューアルコンセプトは、
・スマホやタブレットなどのマルチデバイスへの対応を強化
・背景や関わる人物などを紹介しながら、トヨタの思いや 考えを分かりやすく伝えるストーリー型コンテンツの強化
・SNSへのシェア機能などのサービスなどを目的としています。この頃からスマホの対応が重要視されてきています。
2019年のリニューアルコンセプトは、
・ページ毎のデザインを統一し、スマートフォンやタブレットでも見やすいレイアウト
・情報へのアクセス性を向上
・トップページはトヨタの想いや最新の企業活動の状況を紹介するナビゲーションページとして大きく見直し
などが挙げられています。
やはりどの端末でも見やすいようにレイアウトを統一、シンプルにすることを意識して、「見たいページにすぐ行ける、サイトの中で迷わせない」工夫をしています。
ページ数が膨大なトヨタですら3~5年でリニューアルしている、と捉えるか、資金が豊富な大企業のトヨタだからこそ3~5年でリニューアルしていると捉えるかはお客様の自由ですが、少なくとも同社の場合は、「自動車の販売とサポート」という創業時から変わらないビジネスの中で、老若男女問わず使いやすい見やすいサイト、時代にマッチしたサイトリニューアルを意識していることがわかります。これらは私たち中小企業のビジネスにも通じることではないでしょうか。
それでは続いて自社サイトのリニューアルのタイミングについて考えてみます。いつ頃、どんな時におこなえばいいのでしょう。
ここではよく見られるリニューアルの動機をピックアップしてみます。
同業他社やライバルのホームページと比べて自社デザインが古く感じる場合は、見込み客が比較検討をする時に、競合相手が選ばれてしまう可能性が高くなります。案件が他社に流れても自社に報告が入るわけではありません。これらは売上やイメージに直結する問題ですので、なるべく早めに検討した方がいいでしょう。
また客観的に見て世の中のホームページと比べてデザインが古く感じる場合も同じです。上記ほど喫緊ではありませんが、ホームページの幅が狭い、写真や文章のサイズが全体的に小さい、色づかいが古く感じるなど、なんとなく気になりだしたら検討するべきでしょう。
サービスや事例を追加していく機能や来店や訪問の予約システム、製品と資料請求を連動させる機能、自社の思いや活動を伝える(トヨタのような)オウンドメディアなどの機能を自社サイトに組み入れるついでに全体を刷新したい時など。みなさんが普段何気なく見ている他社のサイトが使いやすい、この機能は良いと思ったら、自社での導入をチャレンジしてみる価値ありです。
利用者(閲覧者)が必要な情報を速やかに得られないのではないかと思える場合など。分類するジャンル構成が複雑になっていて、TOPページから目的のページに到達するまでにわかりずらいようなケース。
先ほどのトヨタ自動車もこの点はとても重視していましたね。特にスマホメインの時代になって訪問者のディスプレイ(画面)は小さくなっています。限られた画面の中でいかにわかりやすく、見やすく、使いやすくしていくかは、とても大事なことです。
新しいiPhoneやAndroid、Windowsでは表示されなくなっているケースや新しいバージョンのブラウザーで見るとレイアウトが崩れているなど、外部の問題でデザインに不具合が出ることがあります。以前は多くの企業サイトで使用されていた Flashコンテンツも数年前にGoogleクロームやAppleのSafariから排除され、見えなくなりました。技術の進化にともない、自社のサイトで使われているOSやソフトウェアなどが賞味期限切れになってしまうことは多々あります。
現在のホームページを独自のシステムで作っていたり、担当者にしか分からない方法で作ってしまったため、簡単に更新することが出来ない場合や、CMSではないので毎回スタッフが手作業で修正していてとても時間がかかるなどの理由です。
プログラムのコードが世の中に一般公開されているオープンソースのCMSワードプレスでサイトを構築すれば、万が一、サイトの更新担当者や制作会社が変わっても容易に引継ぎが出来るといった運用上のメリットもあります。ワードプレスなどCMSサイトのメリットデメリットも後でご覧下さい。
このパターンもけっこうあります。ホームページ作成費用は「広告宣伝費」として全額費用処理が可能です。今期は予想以上の利益が出そうだからという理由で急遽「広告宣伝費」を投入して作成するケースもあります。また最近では事業転換の助成金を使って作成するケースも見受けられます。
あらかじめ計画的に来期予算に「ホームページリニューアル費」を入れておくと慌てなくていいですね。
代表者の交代など経営上の刷新で心機一転する時、社名やロゴ、社屋が変わったりする時、創業何周年記念事業の一環としてリニューアルするケースも多くあります。
またリニューアルではなくても何周年記念サイトや記念ページを追加で作成することもよくあります。
少し前ですがカメラメーカーのニコン創立100周年記念サイトとムービーは有名になりましたね。
参照URL
・ニコン創立100周年記念ロゴの制定と記念サイトの開設
会社によって尺度は違いますが、例えば10年経っているとか、今の時代にスマホ対応になっていないとか、客観的にみて明らかに古すぎる場合は検討した方がいいでしょう。今はホームページの費用も納期も作り方によって臨機応変に対応できることが多いので早めに取り組みましょう。
まだまだ他にもありますが、以上がホームページリニューアルの際にきっかけとなる動機です。
世の中の企業ホームページを見ていると4、5年位でリニューアルすることが多いようです。中小企業の場合はもう少し長いかもしれません。
デザインの流行の移り変わりや機能の進化が関係しているのだと思いますが、税務上のソフトウェアなどの固定資産償却が5年というのも何らかの関係があるのかもしれないですね。
次に「ホームページリニューアルで心配になる点」についてご説明いたします。
ホームページリニューアルの話しが社内で本格化していくと、上司から「そういえばあれは大丈夫なの?」と聞かれたり、自分がリニューアルの担当者、責任者だとこれはどうなのかな、といったことがいろいろと出て来ますね。ここではよくお尋ねいただくご質問を取り上げました。心配な点は事前にまとめておいて、制作担当者に質問しましょう。
一般的にはドメイン(URL)は利用者の所有物であり、制作会社を変えたからといって、現在使っているURL(例) https://www.tol.jp/ や 会社のメールアドレスL(例) yamada@tol.jp などが使えなくなることはありません。ドメインは、jpドメインの場合、レジストラというドメイン名の登録・管理機関で管理されています。きちんとした形で以前の管理会社から新しい管理会社に移管手続きをおこなえば問題ありません。
ただし過去にあいまいな形・契約で制作したホームページや初期制作費0円プランなどの場合は所有権が利用者になっていないことがありますので確認が必要です。
その写真やイラスト、文章が利用者のものであれば大丈夫です。
制作会社や広告会社が撮影したもの、描いたもの、執筆したものであれば、著作権は先方にある可能性が高く、念のために確認が必要です。制作会社によってはOKという場合も駄目だという場合もあります。
リニューアル後も同じ内容のページを作るのであれば、なるべく同じページURLで作成した方がいいでしょう。
例:制作実績のページの場合、現在が yamada.jp/works.html になっていれば、なるべく同じにする。制作会社から「弊社の場合、通常は case.html ですが」と言われても、works.html で作ってもらう。
ただし大規模サイトリニューアルでページ数が増える場合は yamada.jp/works.html では対応できず、下層にカテゴリを作って yamada.jp/works/ にまとめてしまうことはよくあるので問題ありません。またやむを得ずページURLが変わってしまう場合でも、.htaccess に 301リダイレクトを設定することで対応が可能です。
古いホームページと新しいホームページが同じサーバー内で構築されるのであれば、まずホームページやメールの停止期間は発生しません。
新しいホームページを作って、サーバーを移動する際でも、ほとんどの場合は、管理者側の方で、停止時間が発生しないようにDNS(ドメインネームシステム)のタイミングを考慮して作業をおこなうので、ホームページやメールの停止期間は発生しません。
これらのことを意識しない人間がDNS切替をおこなうと、使用出来ない時間が発生することもあります。
心配な点、不明点をピックアップしました。気になる点があればITに詳しい人や制作会社に事前に確認しておきましょう。
続いて、次に「ホームページリニューアルのメリット」についてご説明いたします。
ホームページのリニューアルをおこなうとどのようなメリットがあるのでしょうか。リニューアルには多くのメリットがあります。会社の稟議書に盛り込むための参考にしてください。
会社の倉庫や書棚をイメージするとわかりやすいかもしれません。最初のうちは置き場所も決まっていて探すのも簡単、収納するのも楽だったものが2年、3年と経つにしたがって、ひとまず放り込んで置き場所がゴチャゴチャ、モノもどんどん増えて、探すのにも時間がかかってしまうことがあると思います。
ホームページもそれと同じで年数を重ねるごとに、ページ数や写真画像が増えていって、分類する場所もカテゴリもだんだん複雑になってきます。継ぎ足し継ぎ足しをしてしまうので、サイト構造がいびつになってしまうのです。
(増築、増築を重ねて、行き来が不便、迷子になりやすくなった温泉旅館のようだともいいます)
リニューアルのメリットは、ホームページ内部の要るものと不要なもの取捨選択、整理整頓し、あらためて最新の形に設計し直すので、誰が見ても分かりやすくなって、更新作業もすぐ取りかかれるようになります。
先ほどのトヨタ自動車も前回のリニューアルの目的として、
「今回のリニューアルでは、ページ毎のデザインを統一し、スマートフォンやタブレット端末でも見やすいレイアウトを採用しました。これにより、情報へのアクセス性が向上しています。特にトップページについては、トヨタの想いや最新の企業活動の状況を紹介するナビゲーションページとして、大きく見直しました。」と述べています。
ビジネスの流れが速い昨今は、ホームページを作成した数年前と比べて、自社の事業が進化、変化していることが多々あります。
また事業自体に変化はなくても、各事業のプライオリティ(優先順位)が変わっている場合には、メニューやボタンの順番や位置を変更したり、カテゴリ名を変えたりする必要があります。廃止になった商品やサービスが載っている場合は特に早めの変更が必要です。結果的に事業の棚卸しにつながり、ターゲットを絞ったホームページ展開がおこなえます。
新しいスマホに買い換えると、(OSをバージョンアップすると)、新しくて便利な機能が追加されて、便利、快適なことが多々あります。同じようにホームページの機能も数年前には無かった機能や技術が進化していて、リニューアルによっておしゃれな機能、使いやすい機能を導入出来ます。
例えばここ数年で劇的に使いやすくなった WordPress のブロックエディタ機能。登場した当時は使いにくくて困りましたが、最近はノーコード、 ローコードでお客様自身でウェブ上から簡単に施工実績、新商品の写真や文章追加といったことがおこなえるようになりました。ブロックエディタに対応したプラグイン(スマホでいうアプリみたいなもの)も数多く出ています。
お客さまがCMSを導入していない場合。制作会社に修正を依頼するとその都度費用がかかる上、日数のタイムラグも出てしまいます。静的htmlサイトの場合はご自身で修正してFTPにサーバーアップしていた作業が無くなり大幅な時間短縮につながります。
より簡潔でシンプルなコード記述、最新バージョンのプログラムやプラグインアップデートによって「サイトの表示速度アップ」が期待でき、結果的にコンバージョン(購買や申込みなどの反応率アップ)の改善にもつながります。
洋服のデザインが毎年変わっていくのと同じようにホームページデザインもドンドン変化しています。
綿密に作り込まれた高品質なデザインは一般的なデザインと比べても経年の古さを感じさせないものですが、それでも年月が経つにしたがって、少しずつ古くなっていきます。洗練されたホームページデザインは好感度が高くなります。前回の作成から5年以上経っている場合は要検討です。
経済状況の変化にともなって、お客様の事業キーワードも変わってきているはずです。最近だとDXやAIに関連するビジネスも増えてきました。企業も生き物、事業も生き物ですから、新しいキーワードがどんどん誕生しています。
ホームページをリニューアルする場合、ページに記述するキーワードも新しいものが多くなります。取引先やお客様が検索する可能性のある最新キーワードを埋め込むと、SEO(検索エンジン対策)の強化につながり、上位に表示されやすくなります。サイトの訪問者数が増えて、サイト全体のアクセス数(ページビュー)がアップします。結果的に売上があがることが想定されます。→ SEOの王道は頻繁な更新と充実したコンテンツ
このようにリニューアルにはさまざまなメリットがあります。見込み客がネット上で同業他社と比較をしている時に、デザインや機能の新しさは一つの決定ポイントになります。自社の予算と照らし合わせながら、リニューアルを検討してみましょう。
続いて、次に「事前準備:自社サイトの課題抽出」に進みます。
現在の自社サイトの問題点や改善したい点、弱い点をピックアップして、新しいホームページに反映させるための準備作業です。
ホームページのリニューアルにあたって、自社サイトの課題点、弱い点、改善したい点、引き継ぎたい(残したい)内容をピックアップしておきます。とはいっても、コンサルティング会社のような立派な提案書、改善計画書みたいなものは不要です。エクセルやワードでわかりやすくまとめるだけです。
これは地味な作業ですが、リニューアル作業が進行して、制作会社からの提案事項、経営者や上司からのプッシュ事項が重なり合って、立ち位置や方向性がわからなくなった時の指針ともなります。意外に心強い資料となりますよ。
現在のホームページからお問い合わせフォームや資料請求フォームから届いたメールの月間件数や年間の件数をまとめます。(ネットショップの場合はサイトが店舗そのものなのでその他多数)
フォームからのメールは件名が統一されているはずなので、メールの受信トレイから過去に遡って集めて、リスト化します。
お客さまが、クラウド型のマーケティングサービスを利用しているなら集計は簡単なはずです。
またGoogle広告などを実施している場合はコントロールパネルにログインしてそちらのデータもまとめておきます。
そのうえで、リニューアル後に現在と比べて、どの程度数字をアップさせるのかの仮説というか目標を立てておきます。
自社のサイトには Googleアナリティクスなどのアクセス解析サービスが設定されていると思いますので、これまでのデータを集計して、同様に課題やリニューアル後の目標を立てます。もし使用していなければ、それはそれでかまいませんが、早めに入れてデータを取得しておきましょう。リニューアル後も解析は継続出来ます。
・Google アナリティクス
・Similar Web(シミラーウェブ)
現在の自社サイトへの社内の不満点や改善希望などをヒアリングします。アンケートで全員からリサーチできればベストです。
特にふだん取引先と接している営業社員の声は重要です。自社の商品やサービスが目立たないとか探しにくいとか、サイトを製品のパンフレット代わりに使えるようにしたいなど、わざわざ社長や上司には言わないけれど、普段思っていることを率直言ってくれるはず。とても良い回答があるでしょう。
また人事セクションの人にも採用情報についての要望を聞き取りましょう。学生や中途採用者が見て、入社したくなるような見せ方、説明になっているかどうかなどです。
もちろん担当者の自分自身の考えもかなり大事です。自社のホームページを隅から隅まで見て、課題点をピックアップしてください。これらの声をまとめて、新しいサイトへ生かすようにします。
その他におすすめなのが、自分の家族や友人など外部の人から見た自社サイトの意見や感想を聞くことです。利害関係無しの率直な声を聞くことができます。親しい出入りの業者さんに「どうすれば使いやすくなると思う?」と聞くのもいいですね。
社内アンケートは下記のような無料のウェブサービスを利用すると、おのおのは自分のPCやスマホから回答できますし、集計も自動でやってくれるので、紙ベースでおこなうよりもおすすめです。
同業他社のサイトを多数見て、とても良いと思う点、自社にも導入したい機能や見せ方、反対に真似したくない点などをメモっておきましょう。
TOPページのメインビジュアル(一番上の大きな画像)はこんな感じが良いとか、サービス紹介はこういうレイアウトが良いとか、色合いはこんな雰囲気が良いなど、パーツパーツ、箇所箇所で自社のお気に入りが見えてくるはずです。
これらのヒアリング、抽出作業をおこない、現在の自社サイトの課題点、不満点を可視化、オープン化していきます。これらを進めていくと担当の自分でも気付かなかった点が出て来て目の前がすっきりしてくるはずです。
事前準備として自社サイトの課題抽出ととりまとめが終わったら、いよいよ「ホームページ制作会社のピックアップ」です。
でも制作会社は全国に星の数だけありますので何を基準にピックアップすればいいのか困りますね。どのような制作会社がいいのでしょうか。
ホームページ制作業界は、世の中に登場してからまだ20年程度と歴史が浅い上に、大きな資本やライセンスも不要で、容易に起業出来るということもあって、スキルも質も玉石混淆の状態です。途中でビジネスがうまくいかず廃業してしまうこともあります。その中で打診をする会社をどうやって選択、ピックアップするかのポイントをご説明いたします。
まずは現在、取引のある制作会社がある場合は優先でしょう。その会社が経営者の知り合いや古くから付き合いのある会社であればなおさらです。
担当者自身がその会社と話したことが無い場合でも、ていねいに対応してくれるメリットは大きいです。
ただし、現在取引はあるけれど、内容に満足をしていない、対応がいまいち、だから今回のリニューアルで依頼する気は無かったという場合はもちろん他の制作会社を探します。
取引先企業や顧客からの紹介も有力な手段のひとつです。良い会社が紹介してくれる会社は良い会社が多いものです。実際、世の中の多くの取引は「紹介」で成り立っており、もっともうまくいく取引は「人の紹介」であることが多いです。
ただし紹介を受けたからには、なるべく正式依頼しないと申し訳ない、ということがありますので、それとなく「良い制作会社をご存じですか」くらいの軽い感じで教えてもらうのが良いでしょう。また仮に紹介を受けた場合は、必ずその人には「依頼することになった(依頼しなかった)報告」と「納品後の完了報告」をおこなって、ビジネスの礼節を通すようにしましょう。
自分でネットで直接会社を探すのも良い方法です。多数の制作会社のホームページを見ることで、良い会社良くない会社を見分ける力が付きますし、ホームページ制作業界の動向などもなんとなく掴むことが出来ます。何より自分自身もやる気が出ますし、おのずと責任感もわきます。
ただし変な会社にうっかり声をかけないように。この欄では自分で探す場合の良いホームページ制作会社の傾向をご紹介いたします。
制作会社のホームページにはだいたい制作実績がありますので、自社の雰囲気や業種に合いそうなサイト、自分が好きな雰囲気・デザインのサイトがある会社を選びましょう。これはご自身の直感みたいな感じになりますが、サイトは一度リニューアルすると少なくとも数年は使用することになりますので、直感で良いと思う制作実績が無い場合は飛ばして次の会社を探すことにします。
一般的には凝ったデザイン、質の高いデザインほど制作単価が高くなりますので、自社の想定予算との兼ね合いも大事です。そういう意味では自社の事業規模と同じ位の会社の実績が多い会社の方ががおすすめです。(自社の予算とマッチしていることが多いため)また少なくとも制作実績が載っていない会社、実績の数が少ない会社は選ばない方が無難です。
ビジネスにおける「信用」は若干曖昧な言葉なので、捉え方にはいろいろありますが、まずはネットで検索をして悪評が無いかをざっと調べてみましょう。会社名で検索をした時に「営業電話」「しつこい」「トラブル」とか変なキーワードが出てくる会社は止めるべきです。あとで苦労します。
その他に「信用」の指標として、創業から何年が経っているかはとても重要です。日本の社会では起業してから5年後に残っているのは約50%、10年後に残っているのは20%とか5%などと言われています。いずれにしても創業から10年20年経っている会社というのは、それなりに誠実に仕事に向き合い、多くの顧客から支持を受けている証で、起業して数年の会社とは「信用度」が違うことがわかります。大事なホームページを依頼、委託するのはせめて事業年度が10年以上経っている会社がおすすめです。
企業ホームページは会社の概要や事業内容をネット上で紹介、アピールして顧客を増やすために作るものです。ホームページ制作会社に世の中のビジネスに対しての知識やセンスがあまり感じられないようだと、最初のうちは良いのですが、あとあとの制作過程や公開後にいろいろ苦労することになります。
たとえばお客様が建築関連の電気工事会社だとすると、建築の案件とはだいたい建設会社や工務店が受注をして、その後、設計事務所、大工、内装、外構、電気など多くの事業者に発注されて工程が分担されていくわけですが、ホームページ制作会社にそういったビジネス構造の基本的な知識が無いと、自社の業種を正しく理解してもらうことは難しく、結果的にサイトに載せる説明文やリンクの張り方、業者が選んだ写真素材一つとっても、あなたの満足のいく仕上がりとはほど遠くなってしまいます。お客さんの仕事内容はよくわからない、興味はないけれど、デザインだけは得意です、SEO(検索エンジン対策)だけは得意です、CMSシステム開発だけは得意です、というパターンです。
これらは最初から見抜くことは若干難しいのですが、それでもその制作会社のホームページの文章を読んでいると、なんとなく理解出来るものです。
ホームページ制作会社を選ぶにあたって、会社がどこにあるのかを注意する企業は多いと思います。たしかに距離の離れた遠方の会社より、自社の地元の会社の方が、何かあったときに会って相談出来るというメリットはあります。でも地域によっては地元に良さそうな制作会社があるとは限りません。むしろあることの方が少ないでしょう。そのなかで変に妥協をして無理矢理地元の会社を選んでしまうと、スキルや対応の面であとあと後悔してしまいます。
そもそもホームページ制作やその後のサポートは、大事な部分は電話で話して打ち合わせ、普段はメールにデザイン案を添付して進めていきます。保守サポートも同様です。特にコロナ以降、今は Zoom や Microsoft Teams でのオンラインミーティングも増えており、年輩の経営陣も(直接会わないことに)さほど抵抗が無くなっています。
自社が「取引をする会社は近くの対面出来る会社であること」というルールでも無い限りは、自社の近所(地元)ということにはあまりこだわらず、遠方であったとして、担当者が良いと思った制作会社をチョイスすると良いでしょう。
ホームページの制作は、デザイン、コーディング、CMSなどのシステム構築、サーバー設定、サーバーに収容の工程で進んでいきます。ホームページとサーバーは密接に繋がっており、何らかの不具合が発生した時に原因がサーバーにあるのか、ホームページのシステムにあるのかを素早く判断して、改善、復旧させる必要があります。つまりホームページもサーバーも両方、熟知とまではいいませんが、それなりに理解をしている必要があります。
その時にデザインだけが得意な会社に依頼すると「サーバーのことはサーバー会社に聞いて下さい」、CMSなどのシステムだけが得意な会社に依頼すると「デザインやhtmlは外注したので当社ではすぐには・・」となってしまい、お客様は「どうすれば良いの・・」とストレスを抱えてしまうことになります。制作会社をチョイスする時にはデザインもサーバーも得意そうな会社を選ぶようにしましょう。(ホームページに詳しい説明が載っているかどうかです)
最近よく見かけるようになったのが、「○○○区 ホームページ制作」などで検索すると登場する「○○○区でおすすめするホームページ制作会社15社!」などのサイトです。これらはビジネスマッチングサイトや業者比較サイトと呼ばれるもので、「無料で3社一括に見積依頼」とか「無料で制作会社を紹介」のサービスをウリにしています。
これらのサイトは一見便利で簡単なように見えますが、「○○○市でおすすめするホームページ制作会社15社!」などの記事は、ネット上で制作会社のホームページを次々に見て、適当に文章や画像を転用して作っているだけのものであり、恐らく書いている人はその制作会社と会ったことも無ければ、メールでやりとりをしたことも無いでしょう。昔、問題になった「DeNAまとめサイト問題」と根幹は同じです。それら勝手にまとめた「おすすめの○社」記事ページを大量にアップしてアクセス数を稼ぎ、紹介した制作会社からのキックバック報酬を得るのだと思いますが、掲載されているホームページ制作会社が(保険の比較サイトのように)自社の意志でその比較サイトに登録をしているのであればまだしも、載っている大半の制作会社はそうではないでしょう。「紹介してくれてありがとう」という制作会社もあるでしょうが、いつの間にか載っていたというレベルです。
それらの制作会社比較サイトの「無料で3社一括に見積依頼」などを利用しても、自社の社風や希望にマッチした制作会社が見つかるとは思えません。
上記の傾向がホームページ制作会社をピックアップするにあたって重要な事項になります。ショッピングも商品をあれこれ選んでいる時が一番楽しいと言いますが、上記の制作会社選択作業も楽しくなるといいですね。
上記ではご紹介できなかった内容を「ホームページ管理会社は「実績」と「信用」のある会社を選ぶ」や「ホームページ制作会社の選び方」ページに載せていますので、あとでぜひご覧下さい。
いよいよ前項でピックアップしたホームページ制作会社に案件の打診をすることになります。希望を伝えて制作費の見積りを出してもらう際に必要なこと伝えることをまとめました。相手の制作会社からも、内容を聞かれるとは思いますが、事前に想定をして、上司に意向を確認しておくと相手との電話やメールもスムーズです。
案件の打診は、RFP(提案依頼書)としてきっちりまとめるのが理想ですが、中小企業のホームページの場合、単価がそれほど高くないケースが多く、RFP(提案依頼書)を制作会社に提出すると、仕様や費用の割に仰々しくなることもあります。下記の項目を伝えられればそれで十分でしょう。
ただし電話や面談で話したとしても、記録を残す意味でメールで「今日の依頼内容」などとして、再送するようにしましょう。またイメージの齟齬が出ないようにGoogleドライブやMicrosoft OneDriveなどのストレージで、常に共有を意識することをおすすめいたします。
※見積り依頼時に制作会社に伝える内容はここでは詳細を省いています。詳しい説明は「ホームページ作成に必要なもの」ページに載せていますので、あとでご覧下さい。
新規でホームページを作る場合もリニューアルでホームページを作る場合も、会社としての考えや理由があるはずです。まず最初に「ホームページを作ることになった経緯や理由」を伝えるようにすると良いでしょう。
上記の「1」と少し重なりますが、ホームページで実現したいこと、やりたいことを最初に伝えるのも重要です。
ホームページは基本的に1ページいくらで計算することが多く、作成しようとしているサイトのページ数が5ページなのか、10ページ、50ページなのかによって異なります。
同業他社のホームページなどを見て、「この機能良いなあ・・」というものがあれば、控えておいて、盛り込むようにしましょう。
いまは最初から何も言わなくても、スマホ対応を前提でホームページを作ることが多いのですが、低価格のホームページの場合はオプションになることもあります。
もしお客様の方で「いついつまでに公開する必要がある」ことが決まっているのであれば、それを必ず伝えましょう。
予算の伝え方の説明も「ホームページ作成に必要なもの」ページに載せていますので、あとでご覧下さい。
事前に用意しておくといいもの
「事前に用意しておくといいもの」は、ホームページを制作する担当者側からみて、「出来ることなら用意していただきたい」「あると円滑に進めることが出来る」というものです。必須ではありませんが、いずれ必要になる可能性も高い(制作会社から必ず用意するように言われる)のでこの機会に手元に揃えておきましょう。
制作会社に見積を依頼する時に伝えることをご紹介いたしました。お客さまの方で見積を検討して、正式にその会社に依頼することになった場合は、契約~打ち合わせ~の順番で進んで行きます。
サイトリニューアルを成功させましょう
以上が「ホームページのリニューアルのポイント」になります。長文をお読みいただきありがとうございました。
企業ホームページリニューアルには何年ごとという明確なスパン(期間)があるわけではありません。2年の車検ごとに車を新しくする人もいれば、10年乗っている人もいるように、その企業の考え方や予算によって実施していくのがいいでしょう。
しかし企業ホームページが車と明らかに違う点は、自分ではなく相手がどう感じるか、が「主」であるということです。自社の社長や上司、Web担当者がどう感じるかというより、取引先や仕入れ先、見込み客が見た時にどう思うかということを主眼に置いて、検討していくべきです。
企業ホームページには、「会社の正確な情報を相手に伝えるため」「売上や問い合わせを増やすため」「優秀な人材を採用するため」「企業イメージアップを図るため」など十社あれば十通りの目的があります。
新型コロナウイルスの流行後、オフィスに出社をせずにリモートワークや在宅勤務などで仕事をすることが多くなってきました。まずは自社ホームページの見直しからスタートしてみましょう。(見直し方法~オンラインで受注が出来るホームページへの転換についてご説明しています)
現在のホームページで改善点が多い場合、古くなって来ている場合は、少し早めにリニューアルを意識しながら、進めていくといいでしょう。弊社では、お客様のご要望をていねいに伺った上で、これまでのノウハウや知見を合わせたリニューアルのご提案をおこなっています。よろしければご相談ください。