— Advice
ホームページ
作成方法の
パターン
企業がホームページを開設、作成する場合、いくつかの作成方法、パターンがあります。WordPressなどのCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)やデータベースを使用しない静的HTMLなどです。
これらは制作会社に自社の希望や要望を伝える中で、「CMSにしましょう」「静的HTMLが良いのではないでしょうか」という風に決まっていくことが多いのですが、発注側も事前におおまかな知識を入れておくだけで、自社にマッチした作成方法を選べるなど、打ち合わせがスムーズに進みます。
このページでは、これからビジネスWebサイトを作成しようとしている事業主、リニューアルを考えている中小企業向けに、ホームページの作成方法についてご説明していきます。出来るだけ分かりやすく書いていますのでぜひご覧ください。
ホームページ作成方法のパターンを自社で決める or 制作会社と一緒に決める、のいずれの場合も、まず最初にそれとは別に決めておいた方が良いことがあります。
このことがわからないと、制作会社もホームページの作成方法を決めにくいのである程度明確にしておきましょう。
「方法」や「種類」など似たような言葉が出て来て、少しややこしいのですが、ホームページは、会社案内のため、求人のため、EC(ネット販売)のため、プロモーションのためなど、その目的・役割に合わせて、ホームページの種類が異なってきます。
種類(タイプ)とは例えば
などです。
中小企業がサイトを制作する場合は、会社案内を基本にした「コーポレートサイト(企業公式サイト)」が一般的なのですが、すでに所有している場合や、会社案内不要の場合、すぐネットで販売したい場合などは他の種類のサイトを作ることがあります。
ホームページの目的も千差万別です。会社案内であれば「会社や事業のPR」、求人であれば「応募」、ECであれば「販売~決済」という風にWebサイトのゴール(目的)が異なるため、事前に「今回のホームページの目的は何なのか」を決めておく必要があります。詳しくは「目的・対象別:ホームページの種類(タイプ)一覧」のページに詳しく載せていますので、あとで見て決めておきましょう。
2つめは、公開後、自社でお知らせや事例などを更新していきたいかどうかです。
企業ホームページでよくお知らせや施工事例などを定期的にアップしているのを見たことがあると思います。あのような形で、自分たちで自由に更新したいか、それとも一度作ったらしばらくは何も更新しないか、です。この点も重要なので事前に決めておきましょう。
また、更新する方法も、自社でお知らせを更新するパターン、制作会社に依頼して更新するパターンなどがあります。
3つめは、自社の売り上げ規模や創業年数にマッチした構成になっているかどうかです。これは事前に決めておくこと、というより、このことによって、不相応な(過分な)ホームページを作らないようにします。
たとえば創業年数が浅い場合は、ほとんどの企業が資金がそれほど潤沢ではありません。そのような時に、いくら今の時代はホームページが重要だといっても、何百万もかけてコーポレートサイトを作る必要はなく(もちろん作っても良いのですが)、まずは必要最低限、シンプルに立ち上げた方がスムーズです。1年2年後に余裕が出た時に、ページや機能を増やせるように、最初から追加カスタマイズしやすい設計で作っておいてもらうとなおベストです。
結果的に、自社の売り上げがそれほど大きくない場合、創業年数がまだ浅い場合はまずはシンプルかつ低予算で制作、すでにそれなりの歴史や実績、顧客数があって、より多くの人や企業にアピール、告知をしたい場合は、中程度~の予算でホームページを制作するといいでしょう。
続いて、ホームページの作成方法のパターンについてです。
前述のホームページの目的、役割を明確にした上で、自社にとってもっとも最適な方法で制作をしていきましょう。
ホームページ作成方法には主に下記のように4つあります。細かく列挙すればその他にもありますが、一般的な中小企業がビジネスで使用するホームページにふさわしいものを挙げています。
ひとつずつ詳しく説明していきましょう。
静的HTMLは、動的な機能を使用せずに、シンプルなHTMLで作成する方法です。
ページ数の少ないホームページ、つまり(イコール)創業間もない企業や事業規模がさほど大きくない企業が「名刺代わり」「会社案内パンフ代わり」に立ち上げるのに適しています。
特徴としては、
などになります。
一方、この方法は公開後に頻繁に更新をしたい企業には不向きです。(社内にHTMLやFTPに強い人がいればOK)
更新や修正はHTMLページをそのまま修正して、FTPでサーバーにアップロード上書きする必要があります。自社にHTMLが得意なスタッフがおこなうか、いなければ制作会社に作業代行をしてもらいます。(それでもサイトが20ページ以上になってくると、管理が少しずつ煩雑になっていきます。)
近年は動的なサイトの重さやハッキングを嫌った大手企業が、あえて静的HTMLに変換をして運用することもあります。
WordPressなどの汎用CMSで作成する方法は、「1」の静的HTMLと並んで、中小企業サイトのポピュラーなパターンです。
オープンソースのCMSは「ワードプレスなどCMSのメリットデメリットと選び方」で解説しているように、WordPressのほかにもJoomla(ジュームラ)、Drupal(ドルーパル)や有償ライセンス制のMovable Type(ムーバブルタイプ)などがありますが、現在の世界のシェアはWordPressが60%超えと一強状態です。
特徴としては、
などになります。
一番大きなメリットは「コンテンツの更新が簡単で楽」につきます。
一般的な静的HTMLサイトの場合、ある程度理解している人が作成ソフトを使って修正するか、出来ない場合は制作会社にお金を払って依頼するしかありませんでしたが、CMSの場合は企業の担当者自身が会社のパソコンから簡単に追加や更新をする事が出来ます。従来の静的HTMLサイトから多くの企業がCMSへと移行したのは、やはりこの利便性が一番の理由でしょう。
またテンプレートでページを構成をするため、デザインに統一感が出て、見栄えがよくなります。ユーザビリティ(使いやすさ)の面でも優れています。数百ページくらいまでのサイトであれば問題無く動きます。
CMSについての詳しい説明は「ワードプレスなどCMSのメリット、デメリットページ」をご覧下さい。
「クラウド型CMS」は事業者が不特定多数向けに提供しているCMSサービスと契約をして利用するものです。商用CMSといった呼ばれ方をすることもあります。アメブロやインスタグラムの有料版、高機能版、企業版をイメージするといいでしょう。
もともと記事投稿・更新管理に関しての機能が備わっていますが、細かい機能やスペックはアメブロとインスタの仕様が異なるように、クラウド型CMSも提供各社によってまちまち、月額の金額もまちまちです。
近年のクラウド化やコロナ禍のよるリモート普及などで各社が多数参入して来ており、代表的なところでは、ShareWith(シェアウィズ)やMovable Type(ムーバブルタイプ)、Blue Monkey(ブルーモンキー)、Heart Core(ハートコア)、Oracle Content Management などがあります。こちらも詳しい説明は「ワードプレスなどCMSのメリット、デメリットページ」をご覧下さい。
特徴としては、
などになります。
一番大きなメリットは「最初から更新管理の基本的な機能は備わっている」「サーバーやセキュリティ、アップデートは事業者がおこなう」ので楽、安心ということです。アメブロやインスタがアカウントを取得すればすぐに始められるように、これらのクラウド型CMSも月額使用料を払えばすぐに始めることができます。
一方、これらのサービスは基本的に「提供会社側」と「利用者側企業」の契約になるので、ホームページ制作会社などが介在しない、介在できないことが多くあります。つまり、ページの作成、画像の作成、レイアウトなどは自分たちでおこなうことになります。不明点は「提供会社側」のサポートに連絡を取る必要があります。このあたりが人手不足の中小企業にはハードルの高い点かもしれません。
またこれらのクラウド型CMSは、事業者側がシステムのすべての権利を所有しており、プログラムの仕様も独自のものなので、機能面で「2」の汎用CMSと比べて、カスタマイズ性が低いことや、公開してから数年後に、使いにくいから止めたい、月額が高いので他社に移動させたい、といった時にもデータの移行が出来ない、または移行が難儀というデメリットがあります。特に注意すべき点です。
4つめの「独自プログラムで作成」は、「1」の静的HTMLで作成と似ていて、オーダーメイドでより高度な機能、複雑な機能が必要な時に取る方法です。たとえば(クラウドECなどを使わずに)EC機能を持たせたい場合、商品紹介や施工事例など自社で更新したい部分の機能が凝っている場合、ワードプレスなどのCMSを使わない場合といった場合です。
この方法はユーザー(発注企業)が最初から指定することは多くなく、むしろ発注側の要望や予算をヒアリングした上で、制作会社やプログラマーが、独自プログラムで作成 or ワードプレスなどのCMSで制作を判断、提案することが多いように思えます。結果的に独自プログラムで作成することになった、というイメージです。
一番大きなメリットは「自社の希望通りに作ってもらうことができる」です。ウェブサイトの機能にこだわりたい、複雑なので要カスタマイズといった企業向けです。使いやすいかどうかは制作した会社やプログラマーのスキルにもよりますが、自社の要望に添った機能、デザインの見せ方、管理が出来ますので満足度は高いはずです。費用は求める機能によってまちまちです。
注意すべき点は、その制作会社やプログラマーが独自にカスタマイズしますので、他社には仕様がよくわからないという難点があります。制作した会社と取引がなくなってしまうと、他社では修正をすることができない、または仕様を把握するための調査費用が発生することがあります。
静的HTMLで作成 | 静的HTMLは、動的な機能を使用せずに、シンプルなHTMLで作成する方法です。 ページ数の少ないホームページ、つまり(イコール)創業間もない企業や事業規模がさほど大きくない企業が「名刺代わり」「会社案内パンフ代わり」に立ち上げるのに適しています。 |
WordPressなどの汎用CMSで作成 | WordPressなどの汎用CMSで作成する方法は、静的HTMLと並んで、中小企業サイトのポピュラーなパターンです。一番大きなメリットは「コンテンツの更新が簡単で楽」です。またテンプレートでページを構成をするため、デザインに統一感が出て、見栄えがよくなります。ユーザビリティ(使いやすさ)の面でも優れています。 |
クラウド型CMSで作成 | クラウド型CMSは事業者が不特定多数向けに提供しているCMSサービスと契約をして利用するものです。商用CMSといった呼ばれ方をすることもあります。アメブロやインスタグラムの有料版、高機能版、企業版をイメージするといいでしょう。 |
独自プログラムで作成 | 独自プログラムで作成は、静的HTMLで作成と似ていて、オーダーメイドでより高度な機能、複雑な機能が必要な時に取る方法です。たとえば(クラウドECなどを使わずに)EC機能を持たせたい場合、商品紹介や施工事例など自社で更新したい部分の機能が凝っている場合、ワードプレスなどのCMSを使わない場合といった場合です。 |
ホームページの作成方法パターンについてご説明をいたしました。
自社のホームページをどのような方法で作成するかのポイントは、
・公開後に「自分」でお知らせや事例を追加更新したいかどうか
・システムを使って見せたい項目があるかどうか(例:スタッフごとのブログや製品スペック情報など)
などのように、ホームページを活用してどのようなことをおこないたいかを明確にしておきましょう。
ホームページの目的も千差万別です。会社案内であれば「会社や事業のPR」、求人であれば「応募」、ECであれば「販売~決済」という風にWebサイトのゴール(目的)が異なるため、事前に「今回のホームページの目的は何なのか」を決めておく必要があります。詳しくは「目的・対象別:ホームページの種類(タイプ)一覧」のページに詳しく載せていますので、あとで見て決めておきましょう。
更新代行会社・委託先の選び方、考え方についてまとめた「ホームページ管理会社・運用委託先の選び方」や「放置状態にしておくとこんなデメリット」をご覧下さい。
スマートフォン普及時代のホームページの重要性についてご紹介した「スマホ対応サイトがとても重要な理由」や「ホームページが重要な理由」をご覧下さい。実際にホームページを作ることになった場合は「ホームページ作成公開に必要なものと進め方」も一読ください。
コロナ後の経営課題、「ホームページによる情報発信とインターネットでの受発注」が最も重要や、「ホームページリニューアルの目的とメリット、進め方」をご覧下さい。