「ホームページ 格安」などで検索をすると日本全国のいろいろな制作会社が出て来ます。格安制作費8ページ50,000円ポッキリとか初回制作費0円で月々2,000円とか、一見お得そうなキャッチコピーが並んでいますが、反対に「これで本当に商売が成り立つの?」と心配にもなったりします。
こういった格安制作会社は実際のところどうなのでしょうか?今回は「安すぎるホームページ制作会社には依頼しない方が無難」についてまとめてみました。
ホームページ制作におけるコストとはデザイナーやコーダー、プログラマーなどによる作業がその大半を占めます。例えば洋服という製品であれば、服を作るという作業以外にも素材費用であったり、工場までの運搬費などが必要となりますが、ホームページ制作の場合はほとんどがデジタルベースでやりとりが済んでしまうため、とにかく人件費(作業時間)を低く抑えれば、販売値を安く出来るという特徴があります。
特にホームページ制作業は、世の中に登場してからまだ数十年の若い業種で、これといった資格や大きな資本金も不要のため、多数の会社や個人事業主が次々に進出しています。いわば過当競争状態です。そうなってくると、品質に強みの無い制作会社、営業力の無い制作会社、実績の無い制作会社は、受注するために値段を下げるという方法に走ります。これはホームページ制作業界に限らず、どの業界でも同じことだと思うのですが、例えば競争の激しい繁華街の飲食店でビール100円を強くアピールしているお店があるように、とにかく値段の安さだけで勝負しようとする企業が出てくるのです。
もちろん「価格の安さ」は購入の際の意志決定の重要な要素の一つです。「高品質で低価格」がお客さまに支持される大きな理由であることに違いはありません。ただそれは(例えばユニクロのように)作業工程の徹底的な効率化や質の高い仕入れ先の開拓、大量発注による仕入れ値管理、ITによる在庫ロス管理などの努力を長年続けてきた結果、ようやく得られるものであって、単に値段の安さだけで勝負しているような商品やサービスは「安かろう、悪かろう」であることが多いので注意が必要です。(※安くても高くても品質が変わらない大手家電や航空券などは関係ありません)
格安ホームページ制作会社とはどのような会社なのでしょうか。「制作費8ページ5万円、10万円ポッキリ」といった類いのホームページ制作会社が生き残っていくためには、人件費や作業時間をとにかく削って制作し、次から次に回転させていくしかありません。もちろん中には社内の制作工程を徹底的に効率化し、一部は人件費の安い海外にアウトソース、基幹部分は日本でしっかり管理したり、質の高いテンプレートをカスタマイズして低価格で素早く納品することで大きな成功を収めている会社もあるでしょう。会社の技量で真摯に対応しているところも多いと思います。
しかし世の中の安いホームページ制作会社を見渡しても、大半はそうだとは思えないのです。
つねに短期間で制作して、納品して終わりにして、すぐ次のお客さんの制作に入らなければならない会社が多いように思えます。
このような制作会社では「この安いプランに割ける時間は●時間程度、デザインの質はこの程度、ページボリュームはこの程度」という目安があります。
お客さまがもっと精度の高いものを要望しても対応できない(しない)ことが多いわけです(つまり作業を断られる)。このあたりは「ホームページ管理会社・運用委託先の選び方」にまとめてありますので後でご覧下さい。
「値段が値段だけにしょうが無い」と納得できる方はまだいいのですが、「なんでもっとちゃんと作ってくれないの?たったこれだけのことなのに・・・」と思う方も当然出て来ます。
さらに、この手の会社は打ち合わせ方法、連絡方法もメールのみのところがほとんどなので、電話での相談やオンラインミーティングで顔を合わせての話しの中で、表情やニュアンスから、何となくこれは出来そうだなとか、無理そうだとか落としどころを把握することが出来ず、お互いだんだんと不満が積もってくるわけです。実際に弊社でも制作会社移行希望のご相談をいただきますが、経緯や原因を伺ってみると、ほとんどがこのようなケースでしかも制作会社との関係がこじれていることが多くなります。
「なぜ安い制作会社に依頼しない方が無難なのか?」
これは、企業ホームページというものが、以前とは比べものにならないくらい重要なものになっていることが大きな理由です。
スマートフォンの普及でパソコンが苦手な主婦も年輩の方も、学生も、そして会社のパソコンでは調べづらかったプライベートなことも、全部、自分がいつも持ち歩いているスマートフォンで探せるようになったのです。
この記事をご覧の皆様もそうだと思いますが、「何かを買いたい、依頼したい」会社を探す時に、一箇所だけですぐ決めてしまう人はあまりいません。ほとんどの人は、何カ所も企業サイトを見ながら、良さそうな会社やお店をピックアップして、絞り込んでいきます。
その時に「制作費8ページ5万円、10万円ポッキリ」の格安会社で作った、どこかで見たようなデザインの企業ホームページでは、同様他社と比べて特徴がなく、お客様の比較検討対象から落ちてしまう可能性が高いのです。(つまり打診の声がかからない)
「他社には無い独自のサービス・商品を持った会社」「クチコミで評判の高いお店」「SEOがとても強くいつも検索上位にいる会社」であれば良いのですが、大半の会社・お店はそうではありません。多数のライバルと厳しい競争の中にいるはずです。自社のホームページで「会社の思い」「商品やサービスの特徴」「誠実さや安心感」をしっかりと訴え、ネット上でお客さまに理解してもらってこそ、初めてお問い合わせや注文が来るのです。
格安の飲食店に入って、料理が美味しくなかったり、接客態度が不満だったりしても、数千円のことですし、もう二度と行かなければすみます。でもホームページ制作で失敗してしまうと、すぐに作り直すわけにはいきませんし、自社の売り上げにも悪い影響が出てしまうのです。
たしかに、ホームページ制作費が安いのは魅力です。特に起業したての会社やあまり予算をかけられない企業にとって値段は重要なポイントだと思います。ただビジネス用途のホームページは100%経費で落とすことができますし、このネット普及時代において必要な投資として考えられた方がいいと思います。
それともう一つ大事なことがあります。
これらの格安ホームページ制作会社は、納品後のメンテナンス、修正、更新を嫌がる傾向にあるということです。もちろん中には更新作業を重要な事業として取り組んでいる会社もありますが、基本的に売り切り志向の強い、納品して終わりにして、すぐ次のお客さんの制作に入らなければならない会社が多いことに注意した方がいいでしょう。
ホームページは作って終わりではありません。実際の店舗や企業と同様に、日々の運営、経営で気付いた改善点を常に解決していかなければ、良いサイト(お店や会社)にはなっていきません。GoogleなどのSEO検索エンジン対策的にも弱くなっていきます。そんな時に、ホームページの更新を嫌がる制作会社だと、誠実にメンテナンスを対応してくれないことが多いのです。そして結果的に作業を頼みづらく、サイトは段々と古い情報になってしまい、検索エンジンの順位も少しずつ落ちていってしまいます。
このような理由で、安すぎるホームページ制作会社には、重要な自社ホーム-ページの制作を依頼しない方が無難だと考えています。
ホームページ制作で失敗しても良いと思っている方はいないと思います。ホームページを制作するには、お金もかかりますし、自分の時間も取られます。原稿もある程度まとめなければなりません。文章や写真をまとめるのが得意な人であれば苦にならないでしょうが、自分の仕事をしながら並行して進めていくのはけっこう大変な仕事です。
そのためにはホームページ制作会社も良い会社を選びましょう。
「一を聞いて十を知る」経験豊富な会社もあれば、「十を聞いて一しかわからない」会社もあります。ホームページ制作という仕事はまだ世の中に登場して十数年で、ある程度の知識があれば在宅や個人でも簡単に始められるため、レベルの高低差が激しいのです。こちらのページで「失敗しないホームページ制作会社の選び方」についてまとめてありますので、ぜひご覧下さい。
中小企業がホームページを制作する際、サーバー関連のポイントをまとめた「ホームページ制作アドバイス」とSEO検索エンジン対策、CMSなどを活用した「中小企業のWEBサイト活用コラム」です。