新型コロナウイルスの流行後、オフィスに出社をせずにリモートワークや在宅勤務などで仕事をすることが多くなってきました。
これまでは全員で集合していた商談やミーティングは、Zoomやマイクロソフトのチームズなどのオンラインミーティングでおこない、人と会うことが仕事だった営業セールス部隊もオフィスに訪問しての説明は大幅に減少し、テレアポに代わってウェブサイトのお問い合わせフォームやメールでのセールス、オンラインミーティングが増えて来ているように思えます。商談先で担当者と会って、直接説明することを強みとしていた会社からすると、現在の状態はやりにくくてしょうがないに違いありません。
結果的に、電話やFAX、会社のPCでおこなっていた「その場所にいなければ出来ない」仕事、業務フローは、コロナ以降には「その場所にいなくても仕事が出来る」体制へと転換する必要が出てきました。
現在の言葉でいえばDX化です。出社をしなくてもオンライン上で顧客と商談~決裁~契約~保守に対応できる仕組みを構築したり、会社にかかって来る電話や問い合わせメール、FAXなどのデータをオンライン上に集約させて傾向の分析と対策をおこなったり、データとデジタル技術を活用して業務フローのみならずビジネスや組織も作り変えていくことが求められているのです。
もちろん「人と人が話すこと」は人間社会の根幹なので無くなるはずはありませんし、世の中が落ち着いてくれば徐々に以前と同じ状態に戻っていく業務も多いでしょう。
ただ世の中の人がコロナの事をすっかり忘れてしまう時代になっても、コロナに端を発して始まった企業のIT化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の動きは後退することは無いように思えます。
これからの時代は、ウェブサイトやウェブサービス、アプリなどを活用して、オンラインでの受発注や業務の効率化、仕事の流れの可視化させていくことが重要になります。
お客さまとのやりとりやサポート、仕入れ先との交渉、社内業務の各種フローなどがすべてオンライン上に集約されていくスタイルが理想でしょう。
ここでウェブサイトをベースとした業務変革をいくつかピックアップいたしました。いずれも年々増えている事例です。
もともと予約業務とITはとても相性が良いのです。旅行系、ホテル旅館などはほとんどの会社がウェブでの管理に切り替わりました。
また中小企業の多い飲食店や美容室、その他サービス業でも少しずつウェブサイトを使った予約管理が増えて来ています。
例えば飲食店であれば、比較的低価格のリクルート系サービスやトレタ、オープンテーブルなどの特化型ウェブサービスを利用しているところもあれば、重要なデータを握られることを敬遠して自社開発に近い形でのホームページ運用を始めているところもあります。
その他にも銀行や企業への訪問、ホールや会議室の利用なども事前予約制に変わってきています。
「電話&台帳」は確かに簡単で費用も安く、そして一覧性もあり、修正も容易なので、まだまだ多くの企業の主流パターンですが、中小企業も少しずつ変わっていくはずです。
企業にとって重要な顧客サポートも電話から自社ウェブサイト対応に変わってきています。これは企業側にとって、電話応対で時間を取られない、人件費を他の仕事にまわすことができるという効率化の大きなメリットがあります。人手不足の中、みんなギリギリの状態で回していることも一因です。
中小企業にとって「顧客サポートの強化」というと「ウチはそんな大げさなことや必要無い・・」と思うかもしれませんが、普段電話でよく聞かれることや店頭、訪問時に質問されることを思い出していくと改善点は意外とあるものです。
商品の詳細な機能説明であったり、料理の使用食材であったり、味の説明であったり、それこそ迷いやすい場所に会社のある人は詳細なアクセスマップであったり。多品種の商材を扱っている会社であれば詳細なヘルプページ、サポートページを設けることで、掛かってくる電話の本数はかなり減るはずですし、ホームページ上で詳細でていねいな説明をおこなうことで、目には見えませんが結果的に「顧客の満足度」は上がるはずです。
コロナで営業活動が大きく制限されてしまった、その煽りを受けて営業成績が大幅減になってしまった、企業は少なくはないはずです。
これまで営業社員の豊富な知識と深い経験をもとに受注をしていた企業も、コロナを機に業務以前フローの転換を始めています。そのツールとして自社のウェブは重要な位置付けにあるのです。
例えば、ホームページ上にとても詳細な商品説明やサービス説明を記載し、サポートページを用意して、閲覧した見込み客がほぼホームページ上だけで決断できるようにする事も出来ます。
もちろん商売ビジネスは人と人のお付き合いなので、営業担当のセクションが無くなることはありませんが、これまではなんとなく惰性で訪問していた営業社員も多いはず。それが今後は、ウェブサイトのサポート的な業務であったり、最後の一押し(購入か否かを迷っているお客さまに最後の説明を電話やメールでおこなう)役割に変わっていくはずです。
※ 現に生命保険会社などは完全に営業担当は「人」から「自社ウェブサイト」に切り替わっています。昔であれば営業社員が企業や自宅を訪問して保険のメリットを説明して契約という流れでしたが、現在はその多くがウェブサイトで完結できるようになっています。その移行過程で多くの営業担当が辞めざるをえなくなったことは想像に難くありません。
一般的な企業の場合、これが一番ピンと来るかもしれません。オンラインで受注が出来るサイトです。良いですね。
現在のホームページが普通の会社案内パンフレットのウェブ版の域を出ない場合は、少しずつ手を入れて徐々に「受注が出来るサイト」へ転換をさせていきましょう。自社の製品やサービスの詳しい説明を入れる、導入事例を入れる、可能であれば販売金額、サービス料金も入れる。写真も多数入れる。製品やサービスごとにページを設けて、サイト全体のボリューム(厚み)を大きくするなどです。
また製品数の多い会社であれば、カタログダウンロード機能を設けて、お客さまの住所、TEL、会社名などを入力必須にして、メールなどで自動的にステップを踏んでアプローチをしていく方法もあります。
上記のように、大きな時代の転換期において、中小企業のウェブサイト(ウェブツール、アプリ含む)をフル活用して、「いかに見込み客と実際に会わずに受注が出来るか」「来店来社をしてもらわなくても商談が進められるか」が重要になってきているのです。
現に、中小企業庁の 「小規模企業白書」の調査結果で、経営者と全国の商工会議所の経営相談員が「コロナ後の中小企業の経営課題は何か?」の問いに「ITの利活用(ホームページ等による情報発信、インターネットによる受発注、間接業務の削減)」と答えた人の伸び率が一番大きくなっています。こちらの「コロナ後の経営課題、「ホームページによる情報発信とインターネットでの受発注」が最も重要」もあとでご覧下さい。
企業のIT化、DX化といっても、いきなり業務フローの何かを大胆に変革する大がかりなものばかりではありません。既存のウェブサイト、ウェブツールを見直して、自社の業務フローを少しずつ効率化、省人化してみるところから始めましょう。
まずは自社のホームページを見直してみるところからスタートです。このページの趣旨として初歩的な段階の説明になっていますのでご了承ください。
まず自社のホームページにお客さまからの問い合わせ手段は複数用意されているでしょうか。TELはもちろんですが、そのほかにメール、お問い合わせフォーム、LINEなどのSNS、チャットシステムなどです。
このページの趣旨はITを活用した効率化なので、FAXはとりあえず置いておきますが、例えばお客さまが夜中に忘れないうちに連絡だけしておきたいと思った時にアクションを起こせる仕組みになっているかどうかです。もし電話しか載っていない、ということであれば、せめてメールアドレスやお問い合わせフォームだけでも設置をしましょう。
この場合、ほとんどのユーザーとオンライン上で契約まで完了させているソニー生命などのウェブサイトなどが参考になります。フリーダイヤル、ウェブからのフォーム、チャットシステムの3本柱で、それぞれの問い合わせ方法を詳しく案内しています。さらに手話・筆談有人対応も用意しています。有人(営業時間内)& 無人(24時間365日)のチャットシステムなどは費用的に中小企業も導入しやすいので良いですね。
自社ホームページのお問い合わせフォームから送信されたメールは担当者がどこにいても確認出来る状態になっているでしょうか。またその担当者が休みの時は他の人が確認出来る状態(社内で共有されている状態)になっているでしょうか。
もし会社に出社してPCを立ち上げないと確認出来ない、一人の社員しか見ることが出来ない状態になっているのであれば、GoogleワークスペースやGmailなどを使っておのおののメールをスマホでも送受信出来るように改善をしましょう。もし大きな地震や自然災害が起きてオフィスがクローズしてしまったら、顧客からの連絡が何もわからなくなります。
問い合わせ件数が一日に10件以上ある会社はメールでの送受信では、どうしても対応漏れや対応重複などの問題が出て来ますので、複数人でメールを共有して履歴を一元管理できるサービスを使って業務の効率化と可視化を進めましょう。サイボウズ社の「メールワイズ」などが低価格でお薦めです。
一昔前の中小企業サイトであれば、「サービス紹介ページ」があって、そこにAというサービス、Bというサービス、Cという製品を一覧でまとめて載せておいても良かったのですが、最近はそれではお客さまの心はなかなか動かすことができません。出来ればAというサービスを紹介する個別ページ、Bというサービスを紹介する個別ページをそれぞれ作成して、説明のスペックや機能はもちろん使い方の提案、実績など、多角的にアプローチするようにしましょう。比較的、単価が高い商品、サービスであればなおさらです。
例えば人気サイト「無印良品」であれば、(オンラインショップだから当然といえば当然ですが)自社製品を細かくカテゴリ化して、「衣料品」というカテゴリの「婦人・レディース」のカテゴリ、さらに「シャツ・ブラウス」に分類して整理整頓、そのほかにサイズや色分けでも分けています。
製品写真も10点以上載せて、さまざまな角度から確認出来たり、拡大して素材感などを確かめることができるようになっています。
さらにそれだけではなく、「季節ごとの特集ページ」「カテゴリの紹介ページ」や手に取ってもらいやすくするため、手に取るきっかけとなるための「よみもの」や「使い方の提案」なども多数載せています。中小企業サイトの参考になる構成です。
お客さまの会社にもある会社案内や製品紹介、サービス事例などのカタログやパンフレット。だいたいは10,000部とか50,000部を刷って営業所などに置いておいて、営業社員などが必要な時に客先に持参するパターンだと思いますが、それらの資料は自社のホームページからも閲覧が出来て、ダウンロード出来るようになっているでしょうか?
自社の営業社員が渡せる数には限りがあります。しかも渡せるのは営業時間内だけです。その数字、枚数は決して多くありません。それであれば並行して自社のホームページでもパンフレットやホワイトペーパーをダウンロード出来るようにしておくべきです。見込み客は24時間365日好きな時にパンフレットを入手して検討することができます。
「でも、ホームページに載せてはライバル企業に隅々まで見られて困る・・」という場合。会社案内などの普遍的な資料であれば見られてもいっこうに差し支えがないのでそのままホームページに載せておいても良いのですが、課題解決紹介のホワイトペーパーなど、フルオープンにするには少々抵抗がある場合は、取得時に「氏名」「会社名」「メールアドレス」などなど、さほど抵抗の無い情報を入力することでダウンロードOKとなるように設定しましょう。
高収益企業として有名な「キーエンス」もフル活用している企業の一つです。自社のホームページで付加価値の高い「カタログ」や「技術資料」「マニュアル」などの資料を多数掲載して、ダウンロード時に「メールアドレス」や「会社名」などを登録してもらっています。データは社内共有のCRMをフル活用、一定期間後に自動で「どうでしょうか?」のステップメールを送付して初期の見込み客を優良な見込み客へと育てているのです。最後に営業社員はそれらのリストから訪問の必要な見込み客をピックアップして訪問、受注へと繋げる手法です。すべての流れがオンライン化されています。
新製品や新サービス、機能改善など企業が日々取り組んでいる成果を自社のホームページ上でタイムリーに告知できているでしょうか?
もし、ほとんど更新していないとか、更新していたとしても業者に更新を依頼しているのでタイムラグがあるとか、当たり障りの無い情報(休暇のお知らせ)くらいしか更新していないという場合は、自社スタッフが好きな時に更新が出来るCMSなどを使って、素早く告知出来るようにしましょう。
自社の成果を頻繁にアップしている企業は他の会社(既存顧客や見込み客、外注先など)から見ると「自社の製品・サービスに対して真剣に取り組んでいる」というイメージがあります。一方、全く更新の無い企業は「改善を怠っている企業努力の足りない会社なのではないか」という雰囲気があります。
事業を営んでいる以上、サービスや製品の改善などは誰しもおこなっており、それをうまくアピール出来るか、それとも誰も知らない状態にしてしまうかは、告知次第です。もちろん「ウチの製品は手に取ってもらえれば価値が分かる」「サービスを利用してもらえれば利便性がわかる」ということはあるでしょう。でも世の中の99%の企業は御社と取引がありませんし、そもそも御社を知りません。
それであればウェブサイトをフル活用して、自社の取り組みや軽微なものでも良いので改善結果などを、随時、告知していくべきです。この件は「ワードプレスなどCMSのメリットデメリットと選び方」にも詳しく載せていますのであとでご覧下さい。
その他にもオンラインで完了出来る自社の業務やフローは無いかを徹底的に考えて見ましょう。代表的なものは以下です。
これらは導入している企業も多く、サービスツールも豊富なので着手しやすいはず。進んでいる同業他社のホームページなどを研究して、良さそうな取り組みを検討してみるのもありです。
上記は一例ですが、
業務フローの見直しは、企業のスタイル(要は社風)によって、バサッと一気に転換した方が良いケースと、徐々に切り替えていくケースがあります。双方とも一長一短で、どちらかが良いというものでもありません。
もしこれまでは、顧客の管理、営業の進捗が各営業社員のPCやスマホの中でしかわからなかったのであれば、ウェブサービスツールを入れて、社内の総務も人事も全員が営業の進捗や顧客の情報が見られる体制に変えていきましょう。
「オンラインで受注が出来るホームページ」に転換させていくにあたって、自社の社員だけでサクサクと意見が出て、考えがまとまって、制作会社に依頼が出来ればベストなのですが、普通の企業ではなかなかそう簡単にもいきません。人手不足、ITスキルの問題、そもそも何をホームページに載せれば良いのかわからない・・という場合もあります。
新型コロナウイルスの流行後、オフィスに出社をせずにリモートワークや在宅勤務などで仕事をすることが多くなってきました。これまで以上にウェブサイトの重要性は大きくなっています。
コロナ禍であっても、以前から店内飲食の他に、テイクアウトやデリバリーにも力を入れていた飲食店はさほど影響を受けずにすみました。一般的な B to C 企業も B to B 企業も、現状がうまく行っているからといって先延ばしをせずに、自社のホームページの弱い点を見直して、自社のホームページを「オンラインで受注が出来るホームページ」へと転換させていきましょう。少しずつ手を入れていくことで、サイトを強化していくことができます。少しずつの強化も継続していけば、大きな強化に変わります。
サイト作成をご検討のお客様はお気軽にご連絡ください。お客様のご要望をていねいに伺った上で、弊社のノウハウや知見を合わせたアドバイスをいたします。もちろん他社で制作したワードプレスでのお困りごともお気軽にどうぞ。
以上が「オンラインで受注が出来るホームページ」になります。様々な角度からご説明いたしました。ご覧いただきありがとうございます。