CMSの企業ホームページ制作に「ワードプレス」を薦める理由は?
デザインのセンスが良いと言われている会社のホームページには、デザインコンセプトやブランドイメージ、対象ユーザーに合わせたカッコいいフォントが「コンテンツの更新が簡単で楽」「複数の人間で管理、更新が出来る」「ページデザインが統一されて使いやすい」などの理由で、ホームページにCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入する中小企業が増えてきていますが、中でも私どもではWordPress(ワードプレス)を使ってのサイト構築をお薦めしています。その理由は?
ひとくちにCMSといっても種類は多数
CMSとひとくちにいっても、ワードプレス、Movable Type (ムーバブルタイプ)、Joomla!(ジュームラ)、Drupal(ドルーパル)といったサーバーインストール型のものから、Adobe(アドビ)のContributeなどのデスクトップ型、Jimdo(ジンドゥー)、Wix(ウィックス)、GoogleのBlogger、Livedoor Blogなどのクラウド型まで多数の種類があります。
どのCMSが良いのかという点については、それぞれに一長一短があり、一概には言えないのですが、弊社ではさまざまなCMSを構築した経験から、特にWordPress(ワードプレス)が中小企業にとって最適だと考えており、CMS黎明期より多数のサイトで使用しています。いずれにしても自社サイトの構築目的に応じて最適なものを採用する必要があります。
CMSを導入しているウェブサイトの比率
まずはCMS全体の利用状況を見てみましょう。オーストラリアの調査会社Q-Success社によると、全ウェブサイトの中でCMSを使っていないサイトが55.6%、何らかのCMSを使用しているのが44.4%となっており、CMSの中では一番多いのがWordPress(ワードプレス)で59.3%、次がJoomla!(ジュームラ)で6.1%、3番目がDrupal(ドルーパル)で4.9%となっています。全CMSの約6割をWordPress(ワードプレス)が占めていることがわかります。同調査の3年ほど前の結果では、何らかのCMSを使用しているのが約32%でしたから、12%以上シェアが増えていることになります。
次に、日本国内ではCMSの状況はどうなっているのか見てみましょう。
ここでも1位はWordPress(ワードプレス)で約79.0%、2位がAdobe Dreamweaver(アドビドリームウィーバー)で7.4%、3位がLivedoor Blogの2.5%となっています。日本でも世界全体と同じようにWordPress(ワードプレス)のシェアが圧倒的になっています。
ワードプレスが他のCMSと比べて優れている点
このように日本、世界で人気のワードプレスですが、どういった点が優れているのか、中小企業にとってどんなメリットがあるのか、弊社なりの考えをご説明いたします。なお「CMSで構築するサイトのメリットデメリット」については別ページで紹介していますので後でご覧下さい。
1.導入コストが安い
まずは導入コストが安いという点です。ホームページ制作費用は特に中小企業にとって重要な問題です。
WordPress (ワードプレス) は、オープンソースのCMSプラットフォームで、GPLライセンスに基づき、誰でも無料で使用することができます。サイト構築がビジネスである以上、CMSの使用には何らかの費用が発生するのが普通ですが、WordPress (ワードプレス) の場合はライセンスの規約を守ることで、あらかじめCMSとして完成されたプログラムを商業利用でも可能なことが大きなメリットです。
また完成されたプログラムを使用できるということはホームページ制作時間が短くてすむことの裏返しです。一般的にホームページ制作費用とは「制作者(プログラマーやデザイナー)が何時間動くか?」によって決まってきますので、最初から完成されたシステムを使えるということは大きな節約になります。反対にワードプレスと同じ機能のものを自社オリジナルで作ろうとすると、とても高額の費用と多くの時間がかかることになります。
2.常に最新版を使用できる
WordPress日本語版は有志のメンバーによって運営されており、サイトでは常に最新版をダウンロードすることができます。人気のあるCMSであるが故にセキュリティの脆弱性が発覚することが多いのですが、常にセキュリティ面の改善が施された最新版が公開されていますので、速やかな対応を取ることができます。
3.制作者の個人的なスキルに左右されない
これはWordPress (ワードプレス)利用者が多いことによる大きなメリットです。導入している企業、サイト制作に携わる企業が多いため、陥りやすいトラブルや改善策、注意点などがさまざまな課題解決の事例がインターネット上に多数あげられています。制作者の個人的なスキルに拠ることなく改善可能なのは大きなポイントです。
また「2.常に最新版を使用できる」にも通じることですが、ある特定の企業が提供しているCMSサービス、ホームページ更新システムの場合、プログラムコードが公開されていないため、カスタマイズや改善はほぼ不可能に近いのですが、オープンソースのWordPress (ワードプレス)はプログラマーがカスタマイズや修正することが可能です。
仮にプログラマー自身では対応が難しい場合でも、インターネット上に多くのユーザーや制作者による解決策が上げられているので、技術的なスキルがあれば誰でも対応することができます。
4.サービス提供側の考えに命運を左右されない
これはクラウド型のCMSにありがちなトラブルですが、例えばJimdo(ジンドゥー)、Wix(ウィックス)やアメブロ、ライブドアブログなどの他社サーバーCMSを使って自社サイトを構築している場合、突然の仕様変更やプラン料金値上げの通知が来ると、基本的に飲まざるを得ません。それだけならまだしも「サービスの停止や撤退」となると、それまで積み上げてきた自社サイトが無くなってしまいます。企業にとってホームページは生命線、その自社サイトがサービス提供側の考えによって命運を握られてしまうことは出来るだけ避けておきたい点です。特に海外企業のサービスは注意が必要です。
その点、ワードプレスの場合は、自社サーバーにインストールする形ですから、サービス提供側の動向に命運が左右されません。これは企業にとって大きなリスク回避策です。
このように「安く構築できる」「世界で最も普及しているので誰でも直せる」「サービス提供側の考えに命運を左右されない」などが、WordPress (ワードプレス)のメリットになります。
大手企業であれば、自社のニーズに合わせた独自のCMSシステムを導入し、自社の専用サーバーに設置し、専門のシステム開発部隊が運用や改修をおこなうことが当然なのですが、一般的な中小企業では金銭的な問題、人員的な問題からそれほど多くのリソースを投下できません。
世の中の優れたツールやリソースをうまく組み合わせて、低コストで運用するのが大きなポイントではないでしょうか。
「コンテンツの更新が簡単で楽」「複数の人間で管理、更新が出来る」「ページデザインが統一されて使いやすい」といった、CMS自体のメリットについては、「CMSで構築するサイトのメリットデメリット」で紹介していますのでぜひご覧下さい。